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価格転嫁で賃金アップ⁉ 中小企業で賃上げする企業85%へ!

あっという間に今年も2月です。
受験や入社前の最後の春休みという学生の方々や、
3月の期末に向けてラストスパートというビジネスパーソンの方々も
昨今ニュースで気になっているのは「賃上げ」ではないでしょうか。

実は、2月は処遇や賃上げを従業員代表として労働組合員が会社と交渉する
「春闘(春季労使交渉)」の季節…なのですが、
近年「労働組合」がある企業数が減少していることもあり、
「春闘」という言葉には、あまりなじみがない方も増えているかもしれません。

厚生労働省の労働組合に関する調査を見てみると、
労働組合推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は、
昭和24(1949)年にはなんと55.8%だったのが、
最新令和7年(2025年6月)には16%に。

連日のニュースで人手不足や賃上げの話題は踊りますが、大手企業だけでなく、
多くを占める中小企業も含めて実態はどうなのか気になるところです。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/14/dl/hyo01.pdf
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/25/dl/gaikyou.pdf

そんな中、「2026年度の賃上げ意向に関する調査」を見つけました。

「2026年度(令和8年度)賃上げに関するアンケート調査」
(東京商工リサーチ2025年2月発表)
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1200988_1527.html

【中小企業の賃上げに関するアンケート結果】
※中小企業:「中小企業基本法」に基づく:中小企業の定義に関するよくある質問 | 中小企業庁
■来年度(2026年度)、貴社では賃上げを実施しますか?
 ・実施する:85.2%
 ・実施しない:14.8%

■賃上げ率(定期昇給含む)はどの程度を想定していますか?
 1位「3%以上4%未満」23.7%
 2位「5%以上6%未満」22.1%
 3位「2%以上3%未満」16.5%
 4位「4%以上5%未満」14.3%
 5位「1%以上2%未満」11.8%

■ 賃上げを実施する主な理由(複数回答)
 1位「従業員の離職防止・つなぎ止め」78.0%
 2位「物価上昇への対応」65.5%
 3位「従業員のモチベーション維持・向上」41.7%
 4位「定期昇給の制度があるため」28.4%
 5位「新規採用の競争力を高めるため」25.8%

■賃上げを実施しない理由(複数回答)
 1位「原材料価格・電気代・燃料費などが高騰しているため」49.5%
 2位「業績が低迷しているため」33.1%
 3位「コスト増加分を十分に価格転嫁できていないため」21.4%
 4位「先行き不安(地政学リスク・景気後退懸念)のため」18.5%
 5位「借入金利負担など財務状況が悪化しているため」14.2%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
建前と本音を引き出す設問設計」についてです。
今回の調査結果のように、企業にとってセンシティブな「賃上げ」という経営判断についてアンケートを行う際、調査担当者が気を付けるべきポイントがあります。

それは、「理由」を尋ねる際の選択肢の網羅性と、回答の組み合わせ。
例えば、賃上げ理由を聞く際、単に「業績」や「物価」というキーワードだけを並べてしまうと、回答者は「社会的に正解と思われる理由」を選びがちです。

今回の調査のように、「離職防止(=守り)」と「新規採用(=攻め)」を分けて選択肢に組み込むことで、企業が抱えている課題が「今いる人を守ること」なのか「新しい人を連れてくること」なのかを分けて抽出することが可能になります。

社内アンケート等で「不満」や「改善要望」を聞く際も、「給与を上げてほしい」という回答の裏にあるのが、「今の働き方に見合っていない(不公平感)」なのか、「生活が苦しい(物価高への不安)」なのか、選択肢を一段階具体化する設計を施すことで、経営が打つべき次の一手が「賃金体系の修正」なのか「一時的な物価手当」なのかを判断しやすくなります。

ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。
どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。