年明けも、世界情勢が大きく動いた2026年。
世界各国のリーダーたちがスイスに集まる「ダボス会議」(世界経済フォーラム年次総会)。
高まる地政リスクを背景に、今年のテーマである「対話の力」に大きな注目があつまっていました。
そのなかでも、かつてない危機感が共有されたのが、『AI時代の信頼の再構築』。
https://jp.weforum.org/press/2026/01/cyber-enabled-fraud-is-now-one-of-the-most-pervasive-global-threats-says-new-report/
日々、サイバー犯罪に関するニュースも流れ、もはや「偽の画像や声」は当たり前になりつつある感があること自体が改めて恐ろしく感じる今日この頃。
最近ではさらに「AIが自律的に判断し、私たちの知らないところで勝手に実行する」という、
人類史上初めての「AIエージェントの暴走と悪用」というフェーズに突入しているともよう。
昨年から話題になっていたOpenAIの次世代動画生成AI「Sora 2」では、
物理法則を完璧に再現した1080p動画は、映像制作の常識を覆しました。
ウォルト・ディズニー社をはじめとするコンテンツ保有会社との連携も始まり、
ディズニーではSora 2を制作ワークフローに試験導入し、背景美術やモブキャラクターの生成に活用開始。
これにより、アニメーション制作のコストを劇的に削減する「AI共創モデル」へと舵を切っているもよう。
しかし、ダボス会議で激論されたのはその裏にある「データ・ポイズニング(データ毒入れ)」のリスク。
AI学習用のデータに、特定の条件下で誤作動を起こす「毒」を密かに混ぜ込むことで、
大手企業の公式AIが突如として不適切な発言をしたり、機密情報を漏洩させたりする事件が相次いでいて
最優先課題として議論されたそうです。
さて、今月の「気になる★数字」
「ダボス会議でも衝撃!2030年に
サイバー防御市場5,000億ドルへ」
についてみてみましょう。
セキュリティ市場は今、単なるIT投資ではなく、企業の「生存コスト」へと変貌を遂げている。
技術の進展にともない、危惧されているのは、 「AIエージェント・ハイジャック」。
私たちの代わりにAIがスケジュールを管理したり買い物をしたりする「AIエージェント」を
別のAIによる乗っ取り(ハイジャック)被害にあう可能性が高まっています。
例えば、あなたの代わりにメールを要約するAIエージェントが、外部からの
「間接的プロンプト・インジェクション」という攻撃を受けることがあるとか、
攻撃者がWEBサイトの隅に「隠し文字」で命令を書き込んでおくだけで、
それを読み込んだあなたのAIエージェントが、勝手にあなたの銀行口座から送金を実行したり
パスワードを外部へ送信したりする、といった恐ろしい事件も。
ただAIを便利に使っているだけで被害に遭ってしまうこともあるようです。
Darktrace: The Year Ahead: AI Cybersecurity Trends to Watch in 2026 - Agentic AI Risks
※2026年、自律型AI(Agentic AI)が意図しない行動を取る大規模インシデントが予測。
一方で、セキュリティ側も黙っていません。
そんな状況に、対抗するため、現在開発・導入が進んでいる驚きの技術も。
■自己修復型ネットワーク(Self-Healing Networks):
攻撃を受けた瞬間にAIが自ら脆弱性を発見し、コードを書き換えて
いわば「自動で傷口を塞ぐ」技術。人間が気づく前に防御が完了する凄腕のようです。
■耐量子計算機暗号(PQC):
将来の量子コンピュータですら解読できない超強力な暗号化技術。2026年は、
政府機関や大手金融がこの新規格への一斉移行を開始する「PQC元年」と呼ばれているそうです。
こうした攻防を背景に、世界のサイバーセキュリティ市場は、2026年に4,000億ドルを突破し、
2030年には5,000億ドル(500.7 billion USD)を超えると予測されています。
SecurityWorldMarket: Cyber security market set to reach $500 billion by 2030
そのなかでも最大のテーマは、先ほどの事例のように「AIによる攻撃の超高速化」。
特に「AIガバナンス」と「リアルタイム脅威検知」が急成長していて、
攻撃側AIと防御側AIが戦う「AI対AI(AI vs AI)」の構図が鮮明になっているもよう。
ダボス会議で繰り返された「信頼の再構築」という言葉。
それは、私たちがアンケートでデータを扱う際にも、これまで以上に重い意味を持ちます。
AIが自律的に「回答者のふり」をしてアンケートを汚染することも危惧される時代。
データの「真実性」をどう担保するかは、企業の意思決定を左右する死活問題です。
こうしたアンケート調査の領域でも、「回答者の無意識の行動(マウスの動きや回答時間の間隔など)」からAIボットを見破るロジックなど、データの信頼性を守るための進化を続けています。
技術が現実を追い越す今こそ、生活者の真実を伝えることができる調査の価値は高まっていくかもしれません。
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