2026年度が始まり、慌ただしく過ごしている方も多いのではないでしょうか。
この時期は多くの法改正も施行されます。
今もっとも「働く現場」で熱く議論されているテーマをご存知でしょうか。
それは、労働基準法改正のなかで検討されている「つながらない権利(Right to Disconnect)」。
現代のビジネスパーソンが直面している「デジタルな足枷」を象徴するテーマを見ていきましょう。
若い世代の行動や消費を読み解くキーワードとして注目されているのが
「アテンション・デトックス」。
SNSや情報過多の環境から距離を取り、
体験そのものや限られた人との時間に集中する動きが広がっているようです。
https://forbesjapan.com/articles/detail/93370
背景にあるのは、ネットやSNSのアルゴリズムに流されるような消費行動の結果、
「自分の好きがわからない」と感じる人が増えていて、それを確かめる行動が選ばれているとか。
オフライン体験や創作、また性格や行動傾向を分析してくれる体験型展示なども人気になっているのは
そのあたりの影響だといわれているそうです。
そんな人が増えていく中、2026年4月1日から、労働基準法を含む労働関連法において
重要な変更が順次施行されたそうです。
今回の改正の目玉は、単なる残業削減にとどまらず、「労働者の休息の質」に踏み込んだ点。
特に注目すべきは、勤務終了から翌日の始業までに一定の休息時間を設ける
「勤務間インターバル制度」の普及促進や、テレワークの普及で曖昧になった
公私の境界線を再定義する動き。
厚生労働省は「つながらない権利」に関するガイドラインの策定を進めているそうで、
企業に対して「時間外の連絡ルール」を明文化することを強く求めています。
そもそも、「つながらない権利」とは、
勤務時間外や休日に、仕事上のメール、電話、チャットなどの連絡を拒否しても、
不利益な扱いを受けない権利を指すそうです。
スマホ一つでどこでも仕事ができてしまう現代。
私たちは「常にスタンバイ状態」であることを暗黙のうちに強いられている気がしますね。
フランスでは2017年にいち早く法制化されましたが、
日本でもようやく「休息は権利である」という認識が、精神論ではなく制度として定着し始めています。
世界に目を向けると、この権利の導入は企業の生産性や文化に劇的な変化をもたらしています。
• フランス: 従業員50人以上の企業に、時間外連絡に関する労使協議を義務化。
導入後、従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)抑制に効果が見られました。
• ベルギー: 公務員を対象に先行導入。当初は「緊急時の対応が遅れる」との懸念もあったそうですが、
結果として「勤務時間内の集中力」が高まるというポジティブな副産物が報告されています。
• オーストラリア: 2024年に導入。雇用主が理不尽な時間外連絡を繰り返した場合、罰金が科せられる
厳しい内容。でもこれにより「連絡の緊急性」を上司が再考する文化醸成につながったとか。
さて、今月の「気になる★数字」
「勤務時間外に連絡する
企業(大企業)が79.8%⁉」
帝国データバンクが2026年3月に発表した調査結果によると、
なんと勤務時間外に連絡する企業(大企業)が 79.8%で見られるとか。
「つながらない権利」対応ルールがある企業は1割にとどまる(帝国データバンク調査)
(PR TIMES 2026/03/13)
「つながらない権利」の重要性が叫ばれているのも納得です。
大企業の約8割がいまだに勤務時間外の連絡を常態化させているというのは驚きです。
一方で、時間外連絡を制限する「明確なルール」を持つ企業は、全体でわずか10.4%。
理想と現実のギャップが、この「79.8%」という高い数字に凝縮されているような気がします。
現場では「念のため」「忘れないうちに」と送られるチャットが、
受け手にとっては心理的な拘束力を持ってしまっているのかもしれません。
今後、この権利が日本で定着するかどうかは、「緊急時の定義」を
どれだけ具体化できるかにかかっているのかもしれません。
単に「連絡禁止」とするだけでは、隠れ残業を助長する恐れもあります。
企業に求められるのは、ITツールの「予約送信機能」の活用や、休日専用の連絡フローの構築など、
「つながらなくて済む仕組み」のデザインかもしれません。
「つながりすぎる社会」から、あえて「つながらない」ことを選択する。
4月からの新年度、「連絡のお作法」を再点検してみてもよいかもしれません。
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