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4/9は“美術展の日“。市民のためのオランダ芸術とは?

本日4/9は1667年、ルイ14世の提言により創設された世界最古の公募美術展がパリのル・サロンで開催された日。

今回も弾丸Tripだったアムステルダム視察から、オランダ事情&マーケティング情報をお届けいたします。

アムステルダムの地図を見てびっくりしたのは、美術館だらけなんです。
オランダの美術館・博物館は873施設で、カウントされていない小さなギャラリーも多数。

ちなみに、人口が8倍の日本には1200施設なので、人口一人当たりに換算すると6倍。この美術館密度?は世界最大だそう。

宗教画で有名なレンブラント、ベラスケス、肖像画のF.ハリス、生活や風景を描いたゴッホ、フェルメールなど有名な芸術家も多数。
こういった有名絵画が所蔵された美術館はもちろん、現代美術館も街中にたくさんあって、斬新な建物のデザインも目立つアムステルダム。まさに芸術が爆発しています(笑)

ユッキも国立美術館、ゴッホ美術館を駆け足でめぐってきましたが、一番びっくりしたのがゴッホ美術館のカフェとミュージアムショップの充実度。

売り場面積も大きくて、オリジナル商品数もおびただしく、何より、このブランド力で空港や街中にもチェーン店を複数持っていること…。
価格帯もデザインも良いところをついていて、ユッキはほとんどのお土産をこのブランドショップで調達してしまいました。

「博物館総合調査」(平成25年度)‐来館者向けのサービス施設について」(国立教育政策研究所 2015年4月発表)

http://www.museum-census.jp/data2014/data05.pdf

■ミュージアムショップの設置:45.3%(国立平均40.4%、公立平均40.8%、私立平均62.4%)

■設置施設:1位 動物園79.1% 、2位 水族館77.1%、3位 美術館71.7%

■取扱い商品:1位 絵葉書・栞類、2位 小物類、3位 館活動に関連した書籍

■レストラン・カフェの設置:24.1%(国立平均28.1% 民間企業49.2%)

■レストラン・カフェの設置施設:1位 水族館67.9%、2位 動水植物園66.7%、3位 動物園65.1%

ちなみに4位 美術館45.1%でした。

博物館調査といったマニアックな調査があったことに驚き!ですが、ショップもカフェも設置率の低さにびっくり。
オランダの美術館めぐりを経ててみると、日本は「儲ける気はないんか?」ということ。

せっかく海外からのお客様も急増中の昨今、著作権の問題もかいくぐりながら、素敵なオリジナルグッズやカフェメニューをじゃんじゃん開発して儲けてほしい、そして1円でも多く税金を減らす、あるいはさらなるサービス開発に投資してほしいと思う今日この頃です。

今回の「ワンポイント★プラス」は…
「出したい結論により、クロス集積の軸は決まる!」です。

何度かこのお話はしておりますので過去ブログもご覧ください。

今回ご紹介した調査では、経営母体別、規模別、業種別などに丁寧に分解できるように調査設計されています。

ただ、素人目にみても、基本的には業種別が一番違いがあるだろうと簡単に予測できます。そもそも動物園、美術館、郷土博物館では、来場者層も滞在時間も全く違う。それでも経営母体別に見たかったのは、この調査が「博物館経営」に関する調査だからなんですね。

それにしても、オランダの美術館めぐりを経ててみると、日本は「儲ける気はないんか?」と感じます(涙)。せっかく海外からのお客様も急増中の昨今、著作権の問題もかいくぐりながら、素敵なオリジナルグッズやカフェメニューをじゃんじゃん開発して儲けてほしい、そして1円でも多く税金を減らす、あるいはさらなるサービス開発に投資してほしいと思う今日この頃です。

蛇足ですが…オランダ芸術の小ネタをひとつ(笑)

芸術は基本的には貴族や教会がパトロンとなって生み出されたものが多いのですが、スペインからの独立後のオランダ黄金期は異なる発展を遂げました。

特権階級がなかった当時、市民は誰でも自宅に絵を飾ったため市民の需要が大多数。
生活に根差したたくさんの作品が生み出されました。

市民生活や農村風景を描いたフェルメールやゴッホ、レンブラントの空の色は、まさにオランダの日常の色でした。いつも煙っていて雲が重い。たまに、雲の切れ間から光が刺す…その空は、400年前から変わらないように感じました。

今後のマーケティングのヒントになれば幸いです。

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。