2025年10月に初の女性自民党総裁、首相が誕生し、新たな政権がスタートしました。
昨年OECD調査で、日本の労働市場において男女格差、特に性差による賃金格差が大きい
ことを指摘されていたなか
(https://www.oecd.org/ja/publications/2024/06/oecd-employment-outlook-2024-country-notes_6910072b/japan_85e15368.html)、
政治における初の女性リーダーの誕生が実現したことは歴史的ともいえるでしょうか。
しかし、世界の報道では女性首相誕生というトピックより、
政策に注目が集まっているような感覚を覚える今日この頃。
世界では、既にたくさん女性の政治リーダーが活躍していることも背景にあるのかもしれません。
実は、世界の政治史において、最初に首相の地位に就いた女性は、
スリランカ(当時セイロン)のシリマヴォ・バンダラナイケ氏だそうです。
1960年7月21日に44歳で世界初の女性首相に就任し、合計3期18年にわたり国を率いたもよう。
さらに、娘のチャンドリカ・クマラトゥンガ氏も後に大統領を務めることに。
男女格差が欧米よりもアジアの方が大きいという印象もありましたが、
女性の政治リーダーの誕生が欧米の民主主義国から始まったわけではなかった
ということが興味深かったです。
さて、今月の「気になる★数字」
「世界の女性政治リーダーは
約60各国で誕生」
についてみてみましょう。
今回、日本で女性首相が誕生したことを受けて、世界の女性首相経験者の数を調査してみました。
しかし、政治的リーダーシップにおける「女性首相」の定義は、実は各国一律ではないそうで、
議院内閣制における「政府の長」(Head of Government: 執行責任者)、
「国家元首」(Head of State: 象徴的役割または大統領制における元首)、また暫定的な指導者を含めるかなど
定義が難しいそうで、その正確な数字は確認することができませんでした。
例えば、現職の女性指導者(大統領)の中にも、執行権を持つ大統領制の指導者もいれば、
議会制の下での象徴的元首も含まれているそうなのです。
ちなみに、国際連盟の調査によれば、国連加盟国193カ国のうち60カ国(約31%)が、
これまで一度でも女性が政府の長(首相など)を務めた経験があると報告されていました。
https://www.pewresearch.org/short-reads/2024/10/03/women-leaders-around-the-world/
この「60カ国」という数字は、女性指導者が誕生したことのある国の総数を示していて、
同じ国で複数の女性指導者が就任した場合や、一人の女性が複数期務めた場合もあり、
個人の総数を示すものではないということです。
現在、世界の指導的地位にある女性(大統領または首相として多様な政治体制下で活動)は、
アイスランド大統領のハッラ・トーマスドッティル氏ほか、多数活躍しているのですが、
これまでの執行権を持つ女性指導者は、議会制における「首相」として選出される事例よりも、
大統領制における「大統領」(メキシコのクラウディア・シェインバウム氏や
タンザニアのサミア・スルフ・ハッサン氏など)として、
直接的な選挙基盤を通じて就任しているケースが多い傾向が見られるそうです 。
これは、女性が最高指導者になる経路として、既存の議会内保守派閥の抵抗を乗り越え、
長期的な合意形成を経て首相に就任するよりも、民意の力で大統領選挙という直接的に執行権を
一挙に掌議する傾向があるというレポートもあり、とても興味深いです。
https://www.councilwomenworldleaders.org/current-women-head-of-state-and-government
日本の新政権による新たな時代の幕明けに期待を込めて、過ごしていきたいと思います。
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