今日は、春分の日。昼と夜の長さが同じ…ということで今回の調査テーマも、賛否が同数だったときに、調査をどう読むか…について考えてみたいと思います。
さて、このブログ『この1問で使える調査に!ユッキのアンケートクッキング』では、時事ネタや話題の調査をもとに、「調査のツボ」と調査担当者のヒントになる「プラス1★アドバイス」をお伝えしています。
ぜひ、実際のアンケート設計にお役立てくださいね。
まずは、こちらを題材にみてみましょう。
★2017年2月「安倍内閣支持率」は
「非常に支持できる」13.5%
「ある程度指示できる」52%
「不支持・計」33.4%
という結果でした。
(News i JNN世論調査 207年2月5日調査)
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/yoron/backnumber/20170204/q1-1.html
この世論調査は、1200名に電話調査を実施。対象者は居住地別、性年代別にランダム抽出したものです。
内閣支持率とは、「日本国民1億1000万人の考え方」を示すものですね。
通常ですと1200人の回答者数は、中型調査と言えそうですが、1億1000万人の全国民、あるいは、選挙権を持つ、国民の8割程度の人たちの代表と考えると若干心もとないサンプル数です。
もしかして、同日に、別の1200人に調査を掛けたら、違った結果が出てしまうかもしれない…。と考える方もいらっしゃるかと思います。
そこで生まれたのが、「標本誤差」の算出法です。
算出の方法はちょっと複雑。気になる人はWikipediaもご覧ください。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%99%E6%BA%96%E8%AA%A4%E5%B7%AE)
ちなみに、どの程度の数値なの?ということを知りたい方は、こちらのブログが分かりやすいのでリンクを置いておきます。(http://ethicalive.jp/jy_columns/?p=1130)
標準誤差一覧表を見て頂くとわかると思うのですが、結果が拮抗していればしているほど(=50%vs50%に近い)、この標準誤差は大きくなります。
一覧表では、1000〜5000サンプルで、不支持結果33.4%が該当する30〜40%の枠では、誤差は±2.9〜3.1となっています。
今回、1200名調査で支持率65%という場合は、3ポイント前後の誤差の可能性がある…ということです。つまり、調査結果は、62%〜68%の範囲での結果であるという意味です。
そこで今回の「ぷらす1★スパイス」は、
「調査結果が拮抗している場合は、必ず標準誤差を検証せよ」
です。
先程と同サンプル、同条件で調査結果が仮に、支持率vs不支持率(非回答者を除く)が52%VS48%だった場合は単純に、「支持者の方が多い!」と結論付けることができません。
支持率52%は、49%〜55%、不支持率45%〜51%の標準誤差がみられ、一部、支持、不支持の数値がかぶります。そのためこの場合、調査結果の見出しは「支持者が不支持者を上回る」とは明言せず、「支持、不支持が拮抗(ほぼ同数)」という表現になるでしょう。
いずれにしても、調査担当としては分かりやすい調査結果がでてくれる方が楽かもしれませんね…。
連休をお楽しみください。また来週!
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。