ユッキの会社は昔、裏?銀座にありましたが、近隣には不思議なことに、質屋ならぬ、リサイクルショップがたくさんありました。
夜の蝶のお姉さんたちがクリスマス前後に大量に商品を持ち込むため11月下旬からブランド物のお財布や手帳、バッグ、ジュエリーが安く手に入るため、新人でお給料も飲み代に消えてしまっていた頃はそんなお店を覗くのが楽しみでした。
学生時代は繁忙期だけ◯ifanyでアルバイトをしていたこともあるのですが、よく考えると、男性が一生懸命選んで買っていったあのジュエリーたちも、もしかするとそのままこういうリサイクルショップに持ち込まれてしまっていたのかと思うと、ちょっと切ないクリスマスです(笑)。
しかし、今や裏銀座にこっそり持ち込まなくても全然OKではありませんか。
自宅に居ながらにして、メルカリ、ヤフオク、ブランディア、、、その他もろもろネットで自由に値付けして販売できる仕組みができてしまいましたね。
リアル店舗では買取側との値段交渉や何より大きな荷物を持って街をあるかないといけないという手間も省ける素晴らしい仕組み!
さて、そんなネットリサイクルについて、面白本が書店にあったのでご紹介です。
『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?』(光文社新書)
調査結果とともに分析されているのですが、面白いのは、オークション形式のサイトで見ず知らずの人と取引をする際には競り合ったり直前の吊り上げなど値段の攻防があり、それをゲームとして楽しめるのは男性に多く、女性はメルカリのようにあらかじめ値付けされた商品にいいねを押したり押されたり、時々買ったり、、、といったコミュニケーションにいわばちょっとした承認欲求が満たされ癒されるひと時を楽しんでいるという話。
あ、サマリ過ぎてるかも、詳しくはご覧くださいね。
ユッキ自身は◯ルカリは使ったことがないですが、オークションサイトはちょっと苦手なので、なんとなくうなづけました。ゲームは好きだけど、リアルのお金が絡んだゲームというのは全く違った疲れ方をしてしまう、、、というのが本音かもしれません。
そんな女心をくすぐる?!メルカリで今、ほぼ儲けが出ない「100円以下で商品を販売する人たち」が増えているというから面白いですね。
使わなくなった物でもお金になるなら頑張れる?という気もしますが、全く儲からない、場合によっては持ち出しになってしまうのに手間をかけてまでフリマサイトに出す人々の気持ちやいかに、、、
ということで、今回のテーマは「フリマサイト利用者のインサイト」について見ていきたいと思います。
「100円以下の利益でフリマアプリに出品する利用者の意識・実態調査」(株式会社メルカリ2019月12月発表)
https://about.mercari.com/press/news/article/20191205_smalltransaction_survey/
■前提
・調査対象:
3回に1回以上の頻度で100円以下の利益で出品する「少額取引利用者」最低1000円以上の利益を見込み出品する「高額取引利用者」の両者比較にて調査
■フリマアプリで100円以下の出品をどの程度の頻度で行うか
「3回に1回以上」22%
男女比:
男性36.7%、女性63.3%
■フリマアプリへの出品に「ハマっている」か(少額取引利用者・高額取引利用者別)
「ハマっている」
少額取引利用者59.8%
高額取引利用者42.5%
■フリマアプリ利用目的
・少額取引利用者
1位「不要品を処分するため」73.6%
2位「捨てることがもったいないため」62.3%
3位「お金を得るため」59.2%
4位「節約、おトクに買い物する」52.6%
〜9位「誰かの役に立つ」16.5%
・高額取引利用者
1位「不要品を処分するため」68.9%
2位「お金を得るため」66.2%
3位「捨てることがもったいないため」46.6%
4位「節約、おトクに買い物する」43.5%
〜10位「誰かの役に立つ」5.2%
■商品が売れたときに「うれしい・楽しい」と感じる理由
・少額取引利用者
1位「使えるモノを捨てる罪悪感がなくなるから」63.6%
2位「無駄なく生活ができていると感じるから」55.9%
3位「儲かったと感じるから」52.5%
・高額取引利用者
1位「儲かったと感じるから」72.4%
2位「無駄なく生活ができていると感じるから」48.5%
3位「使えるモノを捨てる罪悪感がなくなるから」39.7%
■あなたの「承認欲求」が満たされる度合いを教えてください(全体)
1位「給料が上がる」83.6%
2位「家族にほめられる」76.1%
3位「フリマアプリで自身が出品した商品が売れること」70.3%
4位「誕生日を祝ってもらう」60.3%
5位「自身のSNS投稿にコメントが入る」55.7%
■フリマアプリ利用後の意識・行動変化(全体)
1位「身の回りの売れるモノを探すようになった」53.3%
2位「売ることが楽しくなった」48.0%
3位「売ることを意識して購入し大切に扱うようになった」34.8%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「対象別分析をする際の対象の定義の方法」についてです。
本調査はきっと、少額取引利用者をどのような人と定義づけるかが肝になったと思います。
ややこしいのは一人の人が、色々な取引をするからです。
高額の商品を出品することもあれば、少額の商品を出品することもある。高額の商品を購入することもあれば、少額の商品を買うこともある。誰を少額取引利用者と特定するかは難しいかと思います。
また、厳密すぎる定義をしてしまうと、対象者が少なくなってしまい、比較対象との母数格差が大きくなってしまうと偏差をかけていかないと比較ができなくなってしまうという課題も発生してしまいます。
事前調査で細かく設定して、どこまでを足しあげると母数が確保できるかとあまり定義を広げ過ぎてしまうと対象者の行動の特定がしづらくなるというこの辺りを塩梅をみながら(笑)設定していくのが腕の見せ所になると思います。
ちなみに、今回の調査でユッキの知らなかった言葉
「メルカリハイ」(笑)
出品したものが売れるとうれしくなって何か他にも売れるものがないかと探してしまう心理を「メルカリハイ」と呼ぶそうです。
売ることを前提に買うという行為は、新車市場でも同じだと聞いたことがあります。だから、白い車が圧倒的に街に走っているんですね。
今後、こういったフリマ市場の盛り上がりによっていろんな商品が売ることを前提に商品選びをするようになるかもしれません。値崩れしないものを選びたいという心理が働くでしょう。
商品は、誰にでも売れるものと希少価値のあるものに2極化していきそうです。コストパフォーマンスの評価視点が商品開発側も購入者側も重要になってきそうですね。
ぜひ参考にしてみて下さい。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。