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今月の気になる数字「79カ国60万人」国際学力PISA2018結果発表!日本人の学力は?

大学入試改革で民間英語試験の導入や記述式試験などについて変更が次々と発表がニュースになっていますが、直前に大きなルール変更は胸が痛みます。
一人ひとりが力を出し切れるよう応援したい気持ちでいっぱいになります。

それにしても、英語だけでも4技能とは。

リスニング、読解、ライティング、会話、、、ただでさえほかの科目もあるのに今時の受験生は本当に大変ですね。
さて、いったい日本人の学力ってどうなのでしょうか?

経済協力開発機構(OECD)が2019年12月3日、国際学力調査「PISA」2018年の結果を公表しました。

OECD生徒の学習到達度調査(PISA:Programme for International Student Assessment)とは、15歳3か月以上16歳2か月以下の学校に通う生徒(日本では高校1年生)を対象として知識、技能および、実生活のさまざまな場面で直面する課題への活用力を測る調査。

2000年より3年ごとに実施され、直近では2018年に「科学的リテラシー」「読解力」「数学的リテラシー」の3分野を調査。
PISA2018には、79の国と地域の約60万人が参加しています。

ちなみにOECD(OrganisationforEconomicCo-operationandDevelopment) とは、民主主義を原則とする30か国の先進諸国で構成された唯一の国際機関。経済、社会、環境の諸問題に取り組んでいるそう。

各国政府がこれまでの政策を相互に比較し、共通の課題に対する解決策を模索し、国際政策の調和を実現する場を提供しているなかで、教育問題に取り組んだのが本調査。

OECD加盟国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、 フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルグ、 メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェー デン、スイス、トルコ、英国、米国と、やや欧州各コクが目立ちますね。

さて、まずは日本の結果から。

読解力(504点)、数学的リテラシー(527点)、科学的リテラシー(529点)、、、って点数だけでは高いのか低いのかよくわかりませんね(笑)

OECD加盟30カ国の平均得点をご紹介すると、読解力(487点)、数学的リテラシー(489点)、科学的リテラシー(489点)で、日本はいずれも平均ては上回ってい他結果となりました。

科目別のランキングを見ていくと(詳細はこちらからhttps://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

読解力では、
1位「中国」(参加4都市・省の北京・上海・江蘇・浙江の頭文字「BSJZ」)
2位「シンガポール」
3位「マカオ(中国)」
4位「香港(中国)」
5位「エストニア」
6位「カナダ」
7位「フィンランド」
8位「アイルランド」
9位「韓国」
10位「ポーランド」以下、スウェーデン、ニュージーランド、米国に続き「日本」は13位。

数学的リテラシーでは、
1位「BSJZ(中国)」
2位「シンガポール」
3位「マカオ(中国)」
4位「香港(中国)」
5位「日本」
受験者数などの変数から、エストニア、韓国、台湾が日本と同程度の得点とみなされるとのこと。

科学的リテラシーでは、
1位「BSJZ(中国)」
2位「シンガポール」
3位「マカオ(中国)」
4位「日本」
エストニアが日本と同程度の得点。

日本は、数学的リテラシーの平均得点は2003年から2018年まで過去4回は安定して推移。
一方、読解力と科学的リテラシーは過去2回と比べて明らかに低下していることが課題との発表。

さて、今月の「気になる★数字」は…
「79カ国60万人が受験」

2000年 32カ国 約 26.5万人からはじまったPISAですが、2回目2003年は 41カ国 約27.6万人が受験。6回目2015年からはコンピュータ受験に切り替え72カ国54万人へと急増。

そして2018年は79カ国60万人の高校1年生(該当年)が受験したそう。世界経済の急成長にともない、世界中でよりよい教育を受けられる環境が整備されているということも実感する数値かもしれません。

ちなみに、Qoockerブログとしては、調査的な視点で見るとこの平均点の見方がポイントになります。お気づきかわかりませんが、各国の受験者数はことなります。

例えば中国の場合、人口が多いこともありますが、都市別に平均値がでています。一方、米国は全米での受験者数平均点です。当然、平均点は母数となるその国の受験者数が多ければ多いほど下がる可能性も高くなるという母数の違いにも着目した上でこの国別平均点比較を受け止めないとなりませんね。

ちなみに、このPISAの結果を受け止め各国、特にEUの中でも平均点が厳しかったと受け止めたドイツでは教育の大改革が行われたり、2006年度にトップだったフィンランドには多くの国から教育視察が集中したりとまさに、OECDが目指していた政策の相互比較や良きところを学びあい磨きあってともに成長していくという思想が実現しつつあると言えるのではないでしょうか。

さて、読解力が低下している日本。入試改革でどれだけ実現できるでしょうか。

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