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今月の気になる数字 「世界M&A、25年は4兆ドル超? 4年ぶり高水準予測のトランプ政権」

昨年から、大きく報道されてきた、国際的な企業統合に関する話題。
もちろん、各国内でもますます激化する競争環境に立ち向かうために、
資本はもちろん技術力や生産基盤、営業基盤などの統合に向けたM&Aが進んでいるようです。

特に、直近の話題は、米国内での企業合併ではありますが、
米広告最大手のオムニコム・グループが、同業第4位のインターパブリック・グループ(IPG)を
株式交換方式で買収することで合意したと発表。買収額はなんと約133億ドル(約2兆円)。
合併後の従業員数は13万人超、売上高260億ドル、時価総額300億米ドル超になると予想されています。
オフショアリングや、重複する業務の削減などを通じて、年間7.5億ドルのシナジー効果を見込む、
まさに広告業界最大手が誕生することになるもよう。

テレビや新聞が主力メディアだった時代は変わり、ネットを通じて、
コンテンツや動画が世界同時に視聴される時代には、広告代理店もグローバルかつ
大規模化していくことが求められるということなのかもしれません。

その他にも、2000年以降だけでも、メディア業界の大型再編が示唆される合併や
提携案件が相次いでいます。
例えば印象的なところだと、AOLのタイム・ワーナー買収、
トムソンのロイター買収やハフィントン・ポスト買収、
Amazonもワシントン・ポストを買収しましたね。

また、ニューズ・コープがダウ・ジョーンズやMySpace、
ナショナル・ジオグラフィックを次々と買収するなど、
ニュースや経済コンテンツを持つ多くの企業の統廃合が目立ちました。
国内企業でも、2013年に日本経済新聞社が英フィナンシャル・タイムズの買収、
2022年にはTBSとブルームバーグの戦略的パートナーシップにより、
共同でビジネス・金融ニュースを配信する新サービス「TBS CROSS DIG with Bloomberg」を
開始しています。

もちろん、エンタメ領域でもいろいろありました。
GoogleのYouTube買収以降も、ソニーがMGMを、Meta社(当時Facebook)がInstagram、
ディズニーが21世紀フォックスを買収したことなども話題となりました。
ますます、グローバルなサービス提供に向けて巨大プラットフォーム化するメディア業界。
この背景となるM&A活況の背景と2025年の潮流を見守っていきたいと思います。

さて、今月の「気になる★数字」
世界M&A、25年は4兆ドル超?
4年ぶり高水準予測のトランプ政権

についてみてみましょう。

ロイター通信(2025年1月19日)によると、
「トランプ米大統領が約束した規制緩和と法人税引き下げ、広範な企業活動への後押しが追い風となり、銀行関係者らは2025年の世界での企業の合併・買収(M&A)取引総額が4兆ドル超と、4年ぶりの高水準になると予想している」と発表。

コロナ禍が明けた2023年度同期でも、低水準の約3兆ドルだったところからの大幅回復だったそうです。
米国では、今後一層の反トラスト法(独占禁止法)のより柔軟な運用に期待が集まっていて、
トランプ氏が米連邦取引委員会(FTC)にアンドリュー・ファーガソンを指名したことから
大企業のM&A要件を緩和すると予想されているもよう。

とはいえ、安全保障条約含めて国家をまたぐM&Aにはまだまだ壁が高そうですが
既に日本企業もグローバル化を進展させています。
こうした世界のM&A競争にも負けられない勝負がかかっていることを感じます。

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