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スーパー銭湯の潜在需要7割 男性優位の市場が変わる?!

今年もあと少し。1年間、色々ありましたね。
本当にお疲れ様でした。
少し、寒くなってきたこともあり、
お風呂でのんびり、1年間の疲れを癒したいところです。

できれば広くて、ゆったりと星なんかをみながら浸かれる温泉が
近くにあったら良いのですが、
なかなかそうもいかない、という方も多いのではないでしょうか。

最近、近所の銭湯がリニューアルして、なんともおしゃれな風貌に。
もう、これはある意味スーパー銭湯に近い様相を来しています。
引き続き地元のシニアも通っているようなのですが、
Instagramで見たという、わざわざ遠くから手ぶらでやってくる若者も増えているもよう。

SNSの一番の凄さは、地元を世界に開放することだと実感します。
やっぱり銭湯のある街は良い街だなとしみじみ思います。
廃業寸前の銭湯を若者が再生させる事例も増えてきて、
ユッキの住む街のように、おしゃれ銭湯に生まれ変わらせてくれるという
嬉しい事例も増えているようです。

ちなみに、1985年には1.5万件弱あった街の銭湯は、2017年には約3900軒、
2021年には3500軒と廃業も目立ちます。
背景として1963年に59.1%だった家風呂普及率が、2008年には95.1%に。
2013年にはほぼ全世帯にゆきわたったとし「浴室の有無」は政府の住宅統計の
調査項目からも除外されているそうです。

とはいえ、お風呂好きの国民性か、いわゆるスーパー銭湯や健康ランド
といわれるレジャー施設は増加を続け、実は、銭湯を含む大きなお風呂施設は、
1985年2.5万件から、現在もほぼ横ばいなんだそうです。
「スーパー銭湯」の定義が難しいところですが、
一般的な銭湯設備に、露天風呂やジャグジーバス、サウナ設備、食堂、
マッサージ室などを加えるなどして、銭湯の付加価値を高めた施設、、、とされています。
そこで今回は、スーパー銭湯について、消費者の利用状況や利用実態を見てみましょう。

中小機構2021年11月発表
「スーパー銭湯(2021年版)市場調査」
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-supersento2.html

■現在のスーパー銭湯の利用状況
「よく利用している」4%
「たまに利用している」14%
・計(全体)18%、男性21%、女性16%
性・年代別上位
「20代男性及び30代男性」23%
「40代男性及び50代男性」22%

■今後の利用意向
「ぜひ利用したい」
「どちらかといえば利用したい(まあ利用したい)」
・(積極的利用意向)全体37%、男性40%、女性33%
・(消極的利用意向)全体68%、男性73%、女性63%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
潜在需要の算出方法」についてです。
アンケート調査では、現状の利用率を取得することが可能ですが、それだけでは、行動ログや入場記録などから取得できるものとほとんど同義になってしまいます。
マーケティング上、もっとも知りたいのは、この市場が伸びるのか縮むのかですよね。

経年で調査を実施しているモノについては、基本的に、昨年度と今年度の結果を比較し、
その斜角で、次年度以降の市場を予測して行くのが一般的です。
ただし、経済環境の変化やあまりに市場の伸びが急激、急減していく要素がある場合、
また、生まれたばかりの市場や現状利用率が低く、市場の大きさが見えづらい場合には、
今回のように、「今後の利用意向」をアンケート取得し、市場予測に活用することができます。

本調査では、
・「積極的利用意向」=ぜひ利用したい、利用したいの合計
から実際の利用率を除いた数値を「潜在需要(積極的潜在需要)」としています。
また、
・「消極的利用意向」=スーパー銭湯の利用に否定的な意向を持たない層
を加えて、最終的な潜在需要も出しています。

しかし、消極的利用意向まで加えると、すべての層で4割を超えてしまいます。
もちろん、絶対に利用したくない、利用できない理由があるという人以外は
プロモーションやマーケティング次第でターゲットになるので、
市場規模という意味では誤りではないでしょう。

ただし、意向に濃淡があり、それぞれニーズも異なる層ごとに
マーケティングを行なっていく必要があります。
加えて、「隠れ競合」の存在もそれぞれの層には潜んでいることがあるので要注意です。
この「隠れ競合」については別の回でご紹介していきます。

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