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今月の気になる数字 「国際バカロレア159ヶ国、5400校。日本も200校を目指す」

さあ、8月も半ば。積み残した夏休みの宿題を横目に遊び呆けている子ども時代の
思い出がよみがえる季節です。
ユッキの自宅からみえる小学校のプールでは、
夏休みも泳ぎにやってくる子どもたちの弾ける笑顔が眩しいです。

そんな日本とは違い、秋学期制の世界では、夏休みは単なる「休み」ではなく
トランジションの季節です。
新しい学年や生活を迎える子どもたちの大切な切替の学び多い時期だそうです。
コロナ禍で留学を控える子どもたちや、海外赴任者も一時帰国をしたりと
一時的には大きな影響を受けてはいますが、国際的に働く人たちの子女向け学校も
急成長していることをご存知でしょうか。

インターナショナルスクールが中心となって、さまざまな国に転勤しながら子どもが
世界中で同じプログラムを学べるように、、、と作られたのが「国際バカロレア」。
日本では、ここ数年聞かれるようになったな、という人も多いかと思いますが
実は歴史は古く、国際バカロレア機構(IB)がスイスのジュネーブに設立されたのは1968年。

国際バカロレア機構は、世界中で認定校と候補校に対して
・認定校に対する世界共通カリキュラムの作成
・国際バカロレア試験(ディプロマ資格試験)の実施
・国際バカロレア資格の授与
などを行っています。

高校2年生から学ぶディプロマ資格プログラムによって取得したディプロマ資格が
いわば高校までの卒業証明となり、世界中の大学受験をする際に活用できる「世界共通のパスポート」
とも呼ばれる物になります。

これまでこのカリキュラムは、英語やフランス語・スペイン語などで行われてきましたが、
2016年から一部の科目で日本語でも学べるようになりました。
そこで文部科学省も日本に、国際バカロレア認定校を200校に増やす計画を進めているもよう。

世界から海外企業の支部を誘致したり、海外から優秀な人材に働いていただくときに
やはり、考えるのは家族の暮らし方。
シンガポールや香港には、たくさんのインターナショナルスクールかつ、
国際バカロレアが取得できる学校がある一方で、
日本には海外から赴任する家族の教育の選択肢が少ない、となると、
赴任や日本進出を諦める企業も出てしまうもよう。

そんなもったいない話はないでしょう、、、ということもあると思います。
また、日本国内から海外に留学する際にも、日本国内の教育方針と国際的な教育カリキュラムの
スタンダードを合わせていくことで、より海外で学びやすくなる日本人が増えるという
メリットもあります。
特に、日本人だけではなく、海外からの赴任者とのネットワーク構築が可能な学校であれば
将来、世界中で活躍する日本人に、とっても重要な人脈になっていくことが期待されます。

さて、今月の「気になる★数字」
国際バカロレア159ヶ国、5400校。日本も200校を目指す」。
改めて、世界を股にかけて活躍する家族の広がりの大きさを感じます。
身近にそういった方がいらっしゃる場合と、会ったこともみたことも無い!という方に
別れてしまう部分もあるかと思いますが、グローバル化は今後も止められないことを
考えると、こうした教育の世界標準化も進んでいくことでしょうし、
他人事とは言っていられない時代になりそうです。

具体的には、どのようなかりキュラムなのでしょうか。
国際バカロレアは、次の10を追求する人材を育てることが目標で、
ラーナープロファイルと呼ばれる、育成人材像を明確に掲げています。
・Inquirers 探究する人
・Knowledgeable 知識のある人
・Thinkers 考える人
・Communicators コミュニケーションができる人
・Principled 信念のある人
・Open-minded 心を開く人
・Caring 思いやりのある人
・Risk-takers 挑戦する人
・Balanced バランスのとれた人
・Reflective 振り返りができる人

日本人として、またビジネスリーダーとしても求められる人材像、深く納得しますね。
誠実に関係性を紡いで行ける、世の中を変革していくために必要な基本的な考え方は、
ある意味、世界共通なのかもしれません。

国際バカロレアの教育は探求型。
子どもたち自身が学びを深め、他者と協働しながら新しい時代を作っていくことを
目指しているようです。
こんな人材が世界中で増えることを願っています。

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