3月になり、いよいよ期末に向かって忙しくなってきましたね。
とにかく、仕事も遊びも時間が足りないという方も多いのではないでしょうか。
そんななか、時間効率化:タイパ(タイムパフォーマンス)に関する
サービスや商品情報が身の回りに増えてきました。
「タイパ」は、コスパ(コストパフォーマンス)が費用対効果を意識することに対し、
時間の効率化に着目した昨今、Z世代を中心に注目を集めているキーワード。
Z世代がタイパを意識する背景として、
デジタルツールや大量情報に囲まれて育ってきたことが挙げられます。
SNSを含めて激しく変化する流行や情報をキャッチするためにも
スピーディな情報収集や処理能力が求められています。
この身の回りにあふれる情報に対し、いかに処理能力を上げていくかがカギ。
情報の同時視聴、作業と並行して映像を見る「ながら見」、
また隙間時間を有効活用することにも意識が高まっていることにも納得です。
そんな「タイパ」を意識するターゲットに人気のタイパ商品やサービスを見ていきましょう。
デジタルサービスからリアルサービスまで
実は、古くからある商品群も今、「タイパ商品」として再度注目を集めています。
冷凍食品やフリーズドライ、フライパン一つで作れるものやレンチン用のレトルト調味料、
睡眠の質を向上できるという触れ込みの「Yakult1000」も爆発的ヒット、
また時短につながる家電製品なども話題になっています。
そのほか、新しいサービスでは、
・書籍の要約サービス「flier(フライヤー)」:一冊の書籍を10分で読めるようにしました
・スキマ時間でバイトできるサービス「タイミー」:短時間バイトとスキマ時間で働きたい人をマッチング
・スキマ時間で体を鍛える「chocoZAP(ちょこざっぷ)」:気軽に手ぶらで通える「コンビニジム」
・クイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL」:オンラインで注文してすぐに届くサービス
などなど。
Z世代にかかわらず、仕事に家庭や子育てに忙しい世代にも
時間効率を上げるためのサービスや商品は生活お助け支援となることまちがいなしです。
ということで、今回はタイパサービスのひとつ、タイパ型映像視聴の実態について見てみましょう。
『映画鑑賞での倍速再生に関するアンケート』
(ストラテ2022月8月調査)
https://strate.biz/news/movies_double-speed-10-20/
■(15₋24歳男女300名)映画を見る際に倍速で見ることはありますか?
・倍速では見ない74%
・倍速で見ることがある 26%
・2倍速でみることがある12%
・1.25倍速で見ることがある9%
■映画を2倍速で見ることがあると回答した人(年代別)
・20代前半14%
・10代 10%
■映画を倍速では見ないと回答した人(男女別)
・男性 78%
・女性 70%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「調査結果のどこに着目すべきか」についてです。
今回の調査の難しさは、兆しを伝えたいという意図をもった調査であることです。
フラットにこの調査を眺めれば、
全体の3/4の人がノーマルスピードで映画を見ているわけです。
ここに着目するのか、1/4の倍速視聴をし始めている人たちに着目するのか?によって
この調査結果のイメージが異なってきます。
本来は、前年比較によって「増えている」のか全世代比較をしたうえで、
20代以下の層が「高い」のかを正確に判断するべきかと思います。
しかし、今回の調査のように、前年比較ができず、調査対象者も15~24歳という
限られた層に実施されている場合、この調査結果だけでは判断がつきにくいかと思います。
こうした場合、例えば「キャズム理論」と組み合わせて考えてみます。
本理論では16%がムーブメントを起こす分岐となります。
(https://marketingis.jp/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%BA%E3%83%A0%E7
%90%86%E8%AB%96)
今回の調査で「倍速視聴をしたことがある」計で26%というのは、
すでにキャズムを超えて、ムーブメントが始まっているととらえることができます。
となれば、マスである74%のノーマル視聴経験しかない層ではなく、
倍速視聴経験者に着目して調査分析を進めるということが正しいとも言えるかもしれません。
こうした、マーケティング理論と組み合わせて分析を進めるのも一つの有効な手法かと
思いますので、ぜひ、いろいろと調べてみて挑戦していただければと思います。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。