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今月の気になる数字 「日本の広告費、通年で7兆1,021億円。 前年比104.4%となり過去最高額に!」

街は春から夏に向け、街路樹も美しくなってきて、外出の機会も増えました。
わずか半年前まで、コロナ禍で自宅を出ずにテレビやYouTube、
アマゾンプライム漬けだった日々がすっかり様変わりしてきたユッキです。

そんななかで、気づくのがテレビCMの変化。
コロナ禍では、健康食品や通販が多かったテレビCMも、
最近では、旅行やイベント、海外の航空会社やレストランなどのCMも復活!
なんだか、リベンジ消費をしなくては…という気持ちになってしまいそうな様相です。

一方、リモートワークも日常化してきて、ラジオを聴くようになった…とか、
本は「読」まずにオーディオブックで…という声も。
コロナ禍を経て、「日常を取り戻した」というよりも、「進化した日常」を楽しむ人が
増えている気がします。

そんななか、電通から今年も「2022年日本の広告費」が発表されました。

「2022年日本の広告費」
(dentsu 2023年2月)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2023/0224-010586.html

2022年といえば、北京2022冬季オリンピック・パラリンピック、
ウクライナ情勢や欧米の金融政策の換による円安が続き、経済環境の大きな変化もありました。
一時期、新型コロナの再拡大も受けて、まだまだ自宅にこもっていた時期もあった昨年度。
とはいえ、世界の脱・マスク政策なども報道され、
世界も日本も社会経済の緩やかな回復に伴って、脱・自粛ムードに。

先ほど生活実感としてお伝えした「外食・各種サービス」「交通・レジャー」などの
広告もデータでみても。やはりかなり回復していたことが分かります。
そんななか、広告費の総額全体を押し上げたのは、
急激に成長しているインターネット広告費だったもよう。

そこで気になるのは、この「インターネット広告」の定義と成長率。
なんと、3兆912億円(前年比114.3%)になっているというから驚き。
2019年に2兆円を超えたことが話題になりましたが、
そこからわずか3年で約1兆円増加したということになりますね。

ちなみに、このインターネット広告費の定義ですが、こちらのレポートには下記のように
記載されています。
「※「日本の広告費」における「物販系ECプラットフォーム広告費」とは、
生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品などの物品販売を行うEC(電子商取引)プラットフォーム
(これを「物販系ECプラットフォーム」と呼ぶ)上において、当該プラットフォームへ"出
店"を行っている事業者(これを「店舗あり事業者」と呼ぶ)が当該プラットフォーム内に
投下した広告費と定義。より広い意味での「EC領域での販売促進を図るインターネット広告
費」全体を指すわけではない。」

つまり、WEB上の画面に挿入されているディスプレイ広告や
最近増えているネット画面上で流されている映像系CMなどを指しているようです。
逆に例えば、旅行サイトや飲食店などの予約系プラットフォームの
掲載料金や予約手数料などは含まれていないということなのでしょうね。

さて、今月の「気になる★数字」
2022年の総広告費は、7兆1,021億円(前年比104.4%)
についてみてみましょう。

2022年度の広告費総額は、コロナ禍前の2019年を超え、
1947年に調査開始して以降の過去最高額になったそうです。

前述したように、この総額を支えたのはインターネット広告費 3兆912億円(前年114%)。
そのほかの内訳では、
 ・地上波テレビ 1兆6,768億円(同97.6%)
 ・新聞広告費 3,697億円(前年比96.9%)
 ・折込 2,652億円(前年比100.8%)と合計で6349億円
 ・雑誌広告費 1,140億円(前年比93.1%)
 ・ラジオ広告費 1,129億円(前年比102.1%)
などが報告されていました。
まだまだ地上波テレビの広告費用は大きなシェアを占めているのですね。

こうして、広告や情報を載せるための「デバイス」は、
新聞やテレビの時代からPCに移り、さらにスマホなど小型化する電子機器へ。
技術革新や生活変化によってまだまだ大きく変化していくことが予測されます。

自宅で家族そろって一台のテレビを見て、テレビの情報で学校のクラス中が盛り上がれる時代から、
一人一人がデバイスを持ち、志向が細分化され、
家族でさえお互いの「関心事」が見えにくくなっているこの時代。
だからこそ、日本中が一つになれるようなイベントやスポーツ、
心を熱くする情報が求められている時代にもなっているのかもしれませんね。
これからも広告を含む「情報の在り方の変化・進化」から目が離せません。

ぜひ、この記事のお問い合わせや感想などどうぞお気軽にユッキにご連絡ください。