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Z世代の新しい仕事観?! 「人前でほめられたくない」6割超え

さて、新年度が始まりましたね。
新入生や新入社員などが新しい風を運んでくれて
なんだか気分一新という方も多いのではないでしょうか。
コロナ禍で減っていた職場の集まりも、少しずつ復活している様子も見られ、
街も賑わいに溢れている気がします。

さて、そんな新入社者の中心はいよいよ1990年半ばから
2010年代前半生まれの「Z世代」になりつつある今日この頃。
Z世代は、オンラインでもオフラインでもコミュニケーションの達人。
実はZ世代が感じている違和感が表に顕在化しないがゆえに、
世代間ギャップが気づかぬうちに大きくなっていってしまう…なんていうこともありそうです。

そんなとき、こんなキーワードが飛び込んできました。
Z世代トレンドを検索結果から発表している「Pinterest」や
CCCマーケティング総合研究所と伊藤忠ファッションシステムが共同で発表した
デジタルネーティブ世代における2023年「トレンド予測」などで、
最重要テーマとして挙げられた「セルフケア」というキーワード。

Pinterestでこれまで多かった検索ワードは、
人と会話することで自分の悩みを解消させる「トークセラピー」や
誰かと一緒に行う「アートセラピー」や「音楽セラピー」など。

しかし最近では「アートジャーナル(絵日記)セラピー」「ライティングセラピー」などが
前回比3,755%増と1,840%増の驚異の伸び率だったそうです。
これまでの、誰かに自分の悩みを解決してもらう系のセラピーから、
自力でケアする「アートジャーナル」や「ライティングセラピー」などが
急成長しているというわけです。

なるほど、そこで「セルフケア」に注目が集まっているんですね。
新橋で同期や後輩と居酒屋で会社や上司のストレス解消をしていた時代は
古き良き文化に…。

さらにSNSでリア充を公開していた時代でさえ懐かしくなってしまっているのかも…。
Z世代のモットーは「自分のことは自分で」。

そういえば、仏教をベースにしたビジネス書、いわゆる「悟り本」が人気!
というのも時代なのかもしれませんね。

ということで、今回はZ世代の仕事観の実態について見てみましょう。

『Z世代の仕事に関する意識調査 | SHIBUYA109 lab.』
(SHIBUYA109 lab.2023年1月)
https://shibuya109lab.jp/article/230222.html

■仕事上でのコミュニケーションについて、「社内の人とプライベートな話を共有したいか」
・「共有したい」 42.6%
・「共有する必要はない」 57.5%

■仕事の評価方法について
・「大勢の前で褒められたい」 38.7%
・「大勢の前では褒められたくない(個人的に褒めて欲しい)」  61.3%

■上司を含めた会社の飲み会は好きか
・「好き」33.4%
・「苦手だ」66.7%

■同期や同世代の同僚との会社の飲み会が好きか
・「好き」50.8%
・「苦手だ」49.1%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
高低を言い切るには、比較対象の存在が必要」ということについてです。
何回かこちらのコーナーでもご紹介してきましたが、世代調査については一工夫が必要です。
相場観が確認できるような他世代または別項目との比較により、
「分析結果」を考察する必要性について述べてきました。

例えば、女性の意識調査をする場合、女性だけを調査対象としてしまうと、
その結果は、男女問わずの全体傾向によるものなのか、
あるいは世代間に共通する傾向なのかわからないため、分析内容が正しいか確証が持てません。

具体的に見てみましょう。
女性20代のみに行った調査で「ダイエットに関心がある」8割という結果が出たとします。
これは、男性も含めた結果、あるいは全世代女性の結果と比較したときに「高い」場合、
初めて「20代女性のダイエットに対する関心が高い」といえるのです。
仮に全世代調査の結果、全世代平均が8割を超えていた場合、
相対的に考えると、必ずしも「20代女性のダイエットへの関心」が「高い」とは分析できませんね。

さて、今回のケースで見てみると、「飲み会」への意識を2段階で調査しているのが興味深いところ。
本調査の調査概要には「18~26歳の男女、社会人411名」に調査実施と書かれています。
多世代調査ではないため、「上司との飲み会」が好きか苦手かという調査については、
何か軸となる比較対象が必要となります。
そのため参考になるのが、「同僚や同世代との飲み会」に対する評価です。

好き派と苦手派は、ほぼ半々でした。
そもそも飲み会が「苦手な人」が半数いることを踏まえて
「上司との飲み会」を見てみると、「好き」は3割となりますので、
「同僚との飲み会は好きでも、上司との飲み会だとちょっと萎える」
という人が2割程度いることが見えてきます。
こうして初めて、「上司との飲み会は苦手」というZ世代が多い…と
分析結果を発表することができるわけです。

ただし、Z世代と一口に言っても、多種多様。
Z世代の全員が上司と飲みたくない…と言っているわけではないことをご承知おきくださいね。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみてください。

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