entry_image

今月の気になる数字 世界の花火市場規模は、2022年に26億8,750万$ 2028年までに33億8,100 万$

さて、夏も本番、今年は盆踊りに花火大会もコロナ禍前と同様に
実施されつつある華やかな夏になりました。
日本の夏を彩る祭りと花火!
素敵な思い出に残る夏を過ごしている方も多いのではないでしょうか。

さて、繊細な花火を生み出す技術力も含めて日本の誇れる産業の一つである花火産業。
コロナ禍で花火産業存続の危機さえ話題になりましたが、
花火産業は今、どのような状態なのでしょうか?

帝国データバンク(東京)によると、花火を造る煙火製造業者の
2020年度の売上高規模は約70億円、2021年度は約58億円。
約120億円弱で推移していたコロナ禍前の半分程度にまで落ち込んでしまったそうです。
さらに、販売業者や花火大会の観光収入まで含めると影響は大きく、
1兆円とも予測されるもよう。

製造事業者の、ほとんどが中小企業で、家族経営のような工房も多い上、
高齢化が進んでいるという話も聞こえてきました。

日本の素晴らしい花火職人の技術は世界に通用すると思うのですが、
世界への輸出などに展開してはいないのでしょうか?
日本政策投資銀行のレポートでは、平成27年度の主な輸出先はアメリカ、
韓国、ドイツなどで、全体でも50tに満たない少量。
イベント需要などにあたり都度輸出している程度だということが
推測されているそうです。
(https://www.dbj.jp/pdf/investigate/area/tohoku/pdf_all/tohoku1607_01.pdf#page23

世界では日本ほど花火の需要がないのかと思いつつ、調べてみると意外や意外。
世界での花火需要は、成長著しい新興国の成長やブームに伴い、
その需要は鰻登りだそうです。

さて、今月の「気になる★数字」
「世界の花火市場規模は、2022年に26億8,750万$ 2028年までに33億8,100万$」
についてみてみましょう。
Fireworks Market Size, Growth & Forecast From 2023 To 2030 (businessresearchinsights.com)

QYResearchは、市場調査レポート
「2022-2028年世界と中国の花火市場の現状と今後の発展動向」(2021)
によると、世界の花火市場規模は、2022 年に 26 億 8,750 万米ドル、
2028 年までに 33 億 8,100 万米ドルに達すると予測されています。
世界中で開催されるスポーツイベントや記念行事などでも楽しまれている花火。

例えば、インドではクリケットの大会や、中国では伝統的に大きなお祭りでの爆竹や花火、
世界中で花火は人気のエンターテイメントであると言えそうです。
しかし同時に、世界でも騒音対策や環境対策などの観点から、
規制が厳しくなっている産業であるとも言えるのです。

花火業界では今、低公害仕様や無音花火などの開発が急がれています。
また、新たな「製造保安法」の段階的な施行により、今後の花火業界の規制はますます厳しくなり、
施行部分の自由度は低くなるとのこと。
安全のための主な法的責任は、企業自身が負担することになるため、
既存のプレイヤーは存続の危機にさらされているもよう。

例えば、中国各地では環境対策の側面から花火・爆竹の禁止令が出され、
2018年1月末までに中国全土の計803都市で禁止され、
さらに923都市が花火の排出を制限する政策を導入していることなどが報道されていましたね。

現在、中国は世界最大の花火の生産国、輸出国、消費国であり、
なんと花火の生産量は世界の生産量の90%、世界貿易の約80%を占めているもよう。
中国の花火関連企業は、なんと48万5千社!
そのうち90%以上が個人企業というのも日本と同様です。
こうした規制を守るための新たな花火の開発には個人企業各社が立ち向かうには
少し荷が大きいかも知れません。

人の気持ちを盛り上げ一体感を演出する花火、
花火が夜空を彩る瞬間、平和のありがたみを実感します。
これからも、人々が花火を見上げて幸せを実感できるように
素晴らしい産業として成長してほしいと願っています。

ぜひ、この記事のお問い合わせや感想など、どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。