さて、今年の夏はいかがお過ごしでしたでしょうか。
コロナ禍も明けてBBQや帰省や旅行など楽しい夏を過ごした方も多いのではないでしょうか。
夏のレジャーの話題で盛り上がっていたら、友人たちから「夏は推し活!」という声が。
確かにテレビでも、高校生たちは学校が休みに入り、朝早くから推しグッズ販売に並んだり、
お小遣いやバイト代をためて推しのライブに行きまくったりする姿が報道されていた気がします。
一方、友人たちは、そのお母様と推し活をするそうで…
もはや「推し活」は若さの代名詞ではなく、全年代でブームとなっていることを実感。
ちなみに「推し活」には、アイドル、アニメキャラクター、ゲーム…と様々ありそうですが、
気になったのは「2.5次元」というワールド。
アニメ、ゲーム、漫画などの二次元作品を実写化したり、舞台化したりする
エンターテインメントである新ジャンル「2.5次元の舞台」が熱い!そうで、
その市場と魅力を少し調べてみました。
ぴあ総研の調査によると、
「2.5次元ミュージカル市場は、2021年度は過去最高239億円を記録」したそうです。
(https://corporate.pia.jp/news/detail_live_enta20221005_25.html)
前年増減率209.7%増の239億円推計。
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年に77億円まで落ち込んだ市場でしたが、
2021年はコロナ禍前の2019年と比較しても13.5%増に回復し、さらに市場は成長中。
「刀剣乱舞-ONLINE-」、「BANANA FISH」「xxxHOLiC」「北斗の拳」「CITY HUNTER」
といった過去に人気を博した名作漫画を原作とした新作公演が増え、
計2,909公演・172作品上演、233万人を動員したそうです。
なんといっても2.5次元の舞台は、原作愛を深める感動や臨場感、精巧な舞台美術と演出などが魅力。
多くのファンにとって、大好きなキャラクターたちとより深い絆を築く場でもあり、
新たな感動を味わえる場でもあるようです。
ということで、そんな2.5次元も含めた「推し活」に関する調査について見てみましょう。
『シニア女性の「推し」に関する実態調査』
(ハルメク生き方上手研究所2023年7月)
【PressRelease】シニア女性の「推し」に関する実態調査.pdf (microcms-assets.io)
■現在「推し」がいますか
・「いる」 47.9%
・「いない」52.1%
→52.1%のなかで、「過去推しがいた」 21.5%
「今までいなかったが興味はある」39.5%
■推しがいることの良い点について
1位「活力、元気をもらえる」72.4%
2位「楽しい時間が増える」69.7%
3位「生活にハリが出る」63.
4位「人生が豊かになる」62.0%
「感動を得られる、ワクワクドキド キできる」62.0%
■推しにかける年間平均額102,883円(昨年度90,352円)の内訳
1位「遠征費(宿泊、交通費など)」(前年度87,167円)→¥110,161円
2位「DVD(BR)、CD、配信などの 映像・音楽の購入費)」(前年度12,367円)→21,103円
3位「本・雑誌・関連書籍など」(前年度34,892円)→14,742円
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「平均金額の罠」についてです。
本調査の対象者は、50~81 歳の全国の女性 461人。
「推し」がいる人が47.9%、そのうち、推しにお金を使う人が72.4%。
つまり今回の調査全体の37.4%が、推しにお金を使っている。
シニア女性の4割弱の人たちが平均年間10万円超を推し活に使っているという結果です。
年間10万円と考えると、多いのか少ないのか微妙な金額という印象ですが、
ここには、年間数十万円投資している方と、1年に1枚DVDを買った…という
年間数千円しか使わなかった、少額投資者方までが混在しています。
実態を把握する場合は、平均金額だけを見るのではなく
個別の金額のばらつきを見ていく必要があると思います。
特定の異常値が平均数に大きな影響を与えていないかなどを確認することはもちろん、
特定以上の金額を使っている人がどのような背景があるのか、なども見ていくことができるのです。
例えば、地方から首都圏に推し活に来ると、都内で推し活をしている方よりも
大きな金額を使っていることなどに気付けるかもしれません。
こうした差異に気付けると、クロス集計で首都圏とそれ以外のサンプルの平均金額を
分けてみて分析をしてみたり、あるいは、年代による差異についての分析を
してみたりすることができます。
一見便利そうな「平均値」ですが、この数字の背景に隠れた実態を見逃さないように
全数を眺めてみるという作業は省かずにトライしていただきたいと思います。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみてください。
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