秋はスポーツの季節。11 月はFIFAワールドカップも盛り上がっているなか、
なんと、ごみ拾いを競技化した「スポGOMI」の世界一を決める
「第 1 回スポGOMIワールドカップ」が東京で開催予定。
(スポGOMI WORLD CUP 2023 (spogomi-worldcup.org))
このスポーツは、3 人でチームを組んで、指定されたエリアで制限時間 1 時間(分別に別途 20 分)内に
拾ったごみの量や種類に応じて与えられるポイントを競うゲームのようです。
また、各国代表が出場するワールドカップに向けて、
47 都道府県で予選大会と全国大会、世界6大州・約20 カ国で予選大会が開催予定。
なんだかすごいことになっているようですね。
こうしたゲーミフィケーションとも呼ばれるような競技形式の仕掛けは人を夢中にさせ、
社会貢献型の新たなスポ―ツの盛り上がりに期待が膨らみます。
さて、新型コロナ感染症も5類となり、街は飲み会に仮装にと盛り上がりましたが、
スポーツを楽しむ人たちにも変化がありそうです。
サッカーや野球チーム、部活の子どもたちも、スポーツをしている時は
マスクを外していて、心なしか、皆のびのびしているようにも見えます。
そんななか、こんな調査を発見しました。
『スポーツライフに関する調査』
(公益財団法人 笹川スポーツ財団2023 年 10 月発表)
SSF_Release_20231006rfin.pdf
こちらの調査は、1992 年から隔年実施されてきた調査で、ジョギング・ランニングの実施実態について
報告がされている調査です。
それでは、調査を詳しく見ていきましょう。
■2022 年の 1 年間に 1 回以上のジョギング・ランニングを実施しましたか
・2022 年 8.5% 877万人
2020 年 10.2% 1055 万人
2018 年 9.3% 965万人
■2022 年 性・年代別実施率
・男性 全体 12.3% 612万人
50 代 10.5%
40 代 17.7%
30 代 15.2%
20 代 14.0%
・女性 全体 4.6% 245万人
50 代 4.6%
40 代 7.1%
30 代 4.2%
20 代 10.5%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「人数の割り出し方と比率をどのように分析するか」についてです。
本調査全体の対象者は、満 18 歳以上の男女 3,000 人(男性: 1,503 人、女性 1,497 人)。
まず、人数の割り出し方ですが、調査票に明示してあるように、
「推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出推計値を算出する際に
端数が発生するため、全体の人口と男性・女性を合計した人口は必ずしも一致しない」
人口統計数値にサンプル調査で出した数値を掛け合わせることで算出します。
算出した数値によって、性・年代別の実施人口推計値が割り出せます。
こうして算出した推計値は、市場規模などを考えるうえで大変役立ちます。
次に、比率の分析についてです。
各性年代別における実施者のメジャー度といいますか浸透度のようなものを見るときは
実施率を比較することになります。
しかし、今回の調査の場合、全体平均実施率の8.5 %を女性の中で超えたのは女性20 代のみ。
つまり、男性と女性の実施率平均値に大きな格差があるのです。
こうした場合は、全体平均値だけでなく、男女別の平均値と比較して
どこが突出しているかを見つけて分析していくことも必要となります。
20 代女性の実施率は女性全体平均の 2 倍越えとなっており、
非常に高い実施率であることが読み取れます。
本調査について、最も興味深いのはコロナ禍を挟んだ比較ができることです。
ジョギング・ランニングの年 1 回以上実施率が、
外出制限などを余儀なくされたコロナ禍初期だった2020 年に全体と男性で過去最高を記録。
しかし、最新データの2022 年には減少してコロナ禍前の水準に戻っています。
コロナ禍の活動制限で、屋外×一人でできること…として、ジョギング・ランニングが流行。
しかしなかなか継続できなかった人が多いということも読み取れそうです。
2020 年の増加は、コロナバブルともいえる一過性のものだったのかもしれません。
ただし、2020-2022 年だけの比較では完結しないのが経年調査。
今後の推移も注意深く見ながら、似たような傾向が表れる動き方がないか、
その変化とこの2020-2022 年に起きたことの共通点はないか…などを検証し、
今回のコロナ禍影響という判断が正しかったかどうかも確認していくことが必要です。
ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。
どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。