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Ipsos国家ブランド指数2023 日本が史上初の首位に

年末に向けて街が華やぐ今日この頃。
久しぶりの盛り上がっている年末年始を感じてホッと一息。
コロナ禍を経て海外からの旅行者も増える中、思わぬ裏路地の店にも外国人を発見し驚くことも。
来日前にどんな情報を調べて、日本にどのような期待を持ってきているのか気になるところです。

今年 3 月に東京を訪れた外国人旅行者の街頭調査では、
来日前に、SNSで動画の活用はもちろん、
「訪日」に特化したWEBメディアへのチェックをしてきた人も多いそう。
特にJNTOが運営する外国人旅行者向け公式サイト「Travel Japan」や
訪日メディア「japan-guide.com」を参考にする傾向がみられたそうです。
https://yamatogokoro.jp/report/49776/

世界各国からみて円安の今、観光旅行者はもちろん、
国内の人手不足の将来を考えると、海外の方にとって、日本をビジネスの場や働く場所として、
また教育を含めた移住などの選択肢に対し、どのような印象をもたれているのかも気になります。
より良い印象を持ってもらい各国から投資をされ続ける国であることも重要です。
こうした日本という国のブランド力向上には、どのような社会活動や情報発信が必要なのか
あらためて考える時代になってきたと実感します。

そんななか、こんな調査を発見しました。

『アンホルト-イプソス 国家ブランド指数』
(IPSOS 2023 年 11 月)
PowerPoint Presentation (ipsos.com)

本調査は、15 年以上にわたり世界各国のブランド指数を測定してきたアンホルト-イプソスの年次調査。
国の国際的なイメージを、国家アイデンティティ 6 つのカテゴリに関する
世界的な認識を調査し、各国の「ブランドイメージ」のパワーと魅力を発表しています。
輸出、ガバナンス、文化、人材、観光、移住と投資の6指標が National Brand Hexagon®を形成するとし、
それらの平均をNBI指標として国家ブランド指標のランキングを発表しています。

こうした国家イメージは、観光、投資、人材などを海外から惹きつける力に
大きな影響を与えるだけでなく、
世界と未来を形作る地政学的な潮流の兆候も見られる重要指標だとか。

2023年の国家ブランド指数では、日本が 6 年連続で首位だったドイツを抜き、
米国とドイツ以外で初めて、またアジア太平洋地域でも初の首位に立ったそうです。
日本は 2019 年に 5 位、2020 年に 4 位、2021 年に 3 位、2022 年に 2 位、
そして 2023 年についに1位と、着実に順位を上げてきました。
日本は今年、6 指数全てでトップ 10 入り。
特に「輸出」指標において強く、科学技術への貢献、クリエイティブな場所、
製品の魅力という 3 つの属性で 1 位を獲得。
また、「人材」「観光」の指標でも高い評価を得ており、
「雇用可能性」と「活気ある都市」で高いランクを獲得したそうです。
それでは、調査を詳しく見ていきましょう。

■国家ブランド指標(NBI)2023
1位 「日本」 69.85(前年2位)
2位 「ドイツ」 69.43(前年1位)
3位 「カナダ」 68.91(前年3位)
4位 「英国」  68.80(前年6位)
5位 「イタリア」68.69(前年4位)

→英国、米国( 6 位)、オーストラリア( 9 位)は順位UP、
イタリア、フランス、スウェーデンはDOWN。
ドイツは 2016 年以来の2位、フランスは 5 位 → 8 位となり史上最低の順位に

■私はこの国で製造された製品を信頼している
1位 日本
2位 ドイツ
3位 米国

■私はこの国がグローバルな経済的リーダーだと思う
1位 米国
2位 日本
3位 ドイツ

■この国は気候変動と戦うために行動を起こしている
1位 スウェーデン
2位 ノルウェー
3位 ドイツ

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
指標分析およびランキングでの表出方法」についてです。
指標として分析する場合、やはり、どのような指標に対して答えさせるのか?
それらの平均値を指標とする場合、そのバランスや偏りに注意する必要があります。

また調査対象者の内訳も気になります。
例えば、調査回答者にとって関心のない対象国について、
実体験の有無にかかわらずイメージを回答させる場合、
どこまでその回答に信頼性があるかに注意する必要があります。
今回の調査手法が参考になると思いますので、以下抜粋して紹介させていただきます。

本調査は 60 カ国を対象とした調査。
各パネル国、60 カ国のうち自国以外の任意の 20 カ国が無作為に調査対象者に割り当てられ、
各調査対象者がそれぞれの国を評価する方式となっています。
世界の認識を代表するものとなるよう、地域代表性と、一定レベルの政治・経済システムの
多様性を考慮するとともに、所得層等の偏りがないようにサンプル調整をされているとのこと。

各国回答者は無作為20カ国の 18 歳以上成人を対象として、
オンラインにより 6 万件以上のサンプルに調査を実施されています
(データは、年齢や性別を含む主要な人口統計学的特徴を反映するように加重)。
15 年間の実績からサンプル調整に技術的な妙がありそうです。
ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。
どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。