2月に入って街はバレンタイン仕様に。
寒い日も続き、温かい飲み物やなべ料理など
自然と温まるものを求めてしまいそうな季節。
そんななか、友人たちとの会話のなかでも自然に、あたたかいご当地鍋、
ご当地スイーツなどの話に花が咲きます。
関東圏の中でも地元の名店、知る人ぞ知るご当地発祥のチェーン店、
キャラクターなどの話で盛り上がることに。
こうして話をしていくと、全国と地方の情報格差はまだ存在していることを実感します。
過去、マスメディア一択の情報源だった時代に比較し、ご当地情報が流通するSNSや
ご当地メディアも増えており、情報アクセシビリティが高まる一方で
情報格差がある意味開きつつある現実も実感しました。
ちなみに、情報格差の課題についてはデジタルデバイドと呼ばれ、
世代格差によるデジタルツールの利用率や居住地域、ネット環境などの差による
情報格差が生まれていることが世界的に課題とされていました。
徐々にシニア世代でもスマホによるインターネットアクセス率なども改善されつつ
あるなかで、昨今では、チャットGPTをはじめとしてさらにAIが進展。
今度は、フェイク動画やフェイク情報、あふれるSNSや動画情報を正しく見極めることが
困難になってきており、またここでも情報格差が生まれ始めていることが課題とされ始めています。
2020年みずほ銀行情報総研(株)「日本におけるフェイクニュースの実態等に関する調査研究
~ユーザのフェイクニュースに対する意識調査~」によると、
「フェイクニュースを見分ける自信があるか?」という設問において、
全体では、「自信がない」人が約4割。
すべての年代において「自信がない」が「自信がある」を上回る結果となったそうです。
人と人とがつながって、こうした情報ギャップをなくし、正しい情報を選択できるような
自浄効果を果たしていくことが今後も大切だと実感しました。
一方、冒頭取り上げたご当地グルメやご当地の有名店情報、
ちょっとしたご当地間のカルチャーギャップは楽しい話題。
こうした楽しい情報格差は人と人とをつなぐ潤滑油になるのではないでしょうか。
そんななか、こんな調査を発見しました。
『第10回 NRC全国キャラクター調査【ご当地キャラクター】Part1:2023年結果』
(日本リサーチセンター 2024年1月)
https://www.nrc.co.jp/report/240119.html
本調査は、全国で1,200名を対象に訪問留置という手法で毎年実施し、
「ご当地キャラクター」の認知と好感を調べているそうです。
2014年から開始し、2023年12月調査でちょうど10年目のもよう。
早速、詳しく見てみましょう。
■次の「ご当地キャラクター」のうち、あなたがご存知のものはどれですか。
知っているものをすべてお知らせください。(掲出32種類のキャラクター対象。いくつでも)
・全国ベース(全体)認知率
1位 「くまモン(熊本県)」 91.4%
2位 「ふなっしー(千葉県船橋市)」 91.0%
3位 「ひこにゃん(滋賀県彦根市)」 68.7%
4位 「せんとくん(奈良県)」 64.5%
5位 「ねば~る君(茨城県)」 54.2%
・ご当地ベース(6ブロックエリア)
1位 「ふなっしー」 93.6%
2位 「くまモン」 92.5%
3位 「ひこにゃん」 88.0%
4位 「せんとくん」 77.1%
5位 「チーバくん(千葉県)」 64.7%
6位 「ぐんまちゃん(群馬県)」 60.7%
■そのうち、あなたがお好きなものはどれですか。(いくつでも)
・全国ベース(全体)認知率
1位 「くまモン」 27.5%
2位 「ふなっしー」 22.8%
3位 「ひこにゃん」 15.4%
・ご当地ベース(6ブロックエリア)
1位 「くまモン」 45.0%
2位 「ひこにゃん」 29.7%
3位 「ふなっしー」 21.1%
4位 「ぐんまちゃん」 15.1%
5位 「チーバくん」 12.9%
6位 「ふっかちゃん(埼玉県深谷市)」 12.7%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「ランキングをさらに深堀する方法」についてです。
今回の調査では、認知度と好感度を全国ベースごと近隣地域在住者の支持率を
分解して検討した調査となります。
ご当地キャラクターは認知の違いが居住エリアによって大きく異なることが
前提となっています。知らなければ好感度が高いかどうかも答えられないわけです。
ですので、ランキングも全国ベースと近隣地域居住者で分けて分析をすることが
必要となります。
こうして分けた後、更に結果を深堀する方法があります。
一つ目は、全国ベースと近隣居住者の支持率のギャップの大きさ順にランキングをつけてみる方法。
今回の調査では、全国では認知度や好感度は低いけれど、ご当地では熱狂的に支持されている
キャラクターをあぶりだすことができます。
例えば、ご当地べ―スの支持率-全国ベースの支持率のランキングで並べ替えてみると
■ご当地認知率と全国認知率のギャップが大きいランキング
1位 「チーバくん」 22.7P
2位 「メロン熊(北海道夕張市)」 20.9P
3位 「ぐんまちゃん」 20.2P
とランキングが大きく変化します。
なお、ここで注意したいのは、%同士をプラスマイナスした結果は、
P(ポイント)で表記します。(%表記ではなくなりますのでご注意ください)
そして二つ目の方法は、4象限にまとめる二次元分析という手法です。
縦軸を認知度、横軸に好感度を表示することで、各キャラクターがどのような評価を
受けているのか、ポジショニングマップが作れます。
これにより、キャラクターごとに、認知度を上げるべきなのか好感度を上げるべきなのか、
またベンチマークすべき、近いポジショニングのキャラクターを判別することができ、
そのキャラクターの認知度アップ、好感度アップの戦略が参考にできる可能性が出てきます。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。
どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。