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今月の気になる数字 全国紙5紙の発行部数1450万部、15年で約半減?

新年度も始まり、新しい出会いにワクワクする季節になりましたね。
経済や社会が目まぐるしく変化する中、仕事や学業でも変化の兆しを
取り入れたいと、さらに、新聞など気合を入れてニュースをチェックする、
そんな方も多いのではないでしょうか。

さて、この主なニュース配信元である「新聞」ですが、
昨今、社内や電車などの公共交通機関でも、
「新聞紙」を広げて読んでいる方ってほぼ見なくなりました。
皆さん、スマホ一択になってきているのかもしれません。
世界でも「新聞」業界は大激変の様子です。

例えば米国でも同様に、メディアの苦境が報道されています。
新聞をはじめ、雑誌やTVなどマスメディアの収益の柱は広告。
こうした広告がインターネット企業にシェアを奪われていることで
経営的に厳しくなっていることを背景に、
米国では2005年以来、なんと地方紙を中心に2500紙が消滅したもよう。
そして、新聞社での雇用は直近14年間で7割以上が減少しているそうです。

2013年にワシントン・ポストが、アマゾン・ドット・コムに買収されたのは
記憶に新しいと思います。調べてみると、これは創業者のジェフ・ベゾス氏が
個人で買収したそうなのです。
電子版を軸とした業績回復だけでなくDX推進のための
総合的プラットフォームである『Arc XP』の外部提供を柱とするSaaS企業への
転身にも注目が集まりましたね。
コンテンツ管理、eコマース、デジタル体験の提供など、
これまでアナログだったメディア事業のDX推進を大きく進める1歩となるだけでなく、
他のメディア事業会社に販売することで一気に業績を押し上げたとか。
アマゾンが自社のEC事業のために開発した技術を
メディア事業にもうまく転用したといえるのでしょう。

その拡がりは、米国内の主要メディアのロサンゼルス・タイムズやシカゴ・トリビューン他
での導入はもちろん、中南米や欧州、日本でも採用され、約2000媒体に拡大し、
石油メジャー英国BP社でも社内コミュニケーションに使う事例まででてきたもよう。
SaaSビジネスによって息を吹き返したワシントン・ポストは、
正しく信頼のおける情報を届け続けるために、経営効率を上げて、
事業継続にまい進している素晴らしい事例になりそうです。

さて、今月の「気になる★数字」
全国紙5紙の発行部数1450万部、15年で約半減?
についてみてみましょう
https://www.j-cast.com/2024/01/04475579.html?p=all

先ほど、米国の事例をお伝えしましたが、日本でも直近15年で
大幅に新聞の部数が落ちているそうです。
日本ABC協会が調査した23年上期(1~6月)全国紙5紙(朝日、毎日、読売、日経、産経)
平均販売部数は、5紙合計で1450万6261部。
18年上期2122万9328部、
08年上期2720万5747部比で53.3%と右肩下がりました。

ただし、紙媒体の部数減にとらわれるのではなく、
注目すべきは、コンテンツを届けられている人数です。
PCやスマホを中心とした電子版への移行が進んでいれば、
形態にこだわる必要はありません。

電子版については、全国紙で有料会員数を公表しているのは
日経・朝日の2社のみ。
無料会員の範疇で閲読している人数は公表されていないようなのですが、
10年3月に創刊した日経電子版では、17年1月(創刊6年10か月目)で
有料会員数が50万人に達したと発表。
23年12月(13年10か月目)の発表では、
有料会員数は89万7000人と発表されていることから右肩上がりです。

紙媒体から電子版へ移行しつつも、
こうしたマスメディアとしての矜持を持ち報道をしてきた「新聞」と
触れ合わなくなる危険性も感じます。
日々無料で流れてくるネットニュースだけに頼っていると
知らないうちに情報の偏りが思考の偏りをもたらす結果になることも。
リテラシーや日頃の検索結果から情報に偏りをもたらし情報格差を生む
「デジタル・デバイド」が今、問題になっています。

信頼性や責任ある、幅広い意見を集約しつつ真理を追究・報道していこうとする
気概のあるメディアや情報を、自ら分別しながら取り込むことが必要になっています。
積極的に幅広い報道に触れていくことで、フラットに情報を捉えなおすことが
重要です。
調査も同様、多角的な視点から、1人ひとりが情報を捉えていくことが求められて
いるのだと改めて感じます。
新たな期の始まりに背筋を伸ばして進んでいきたいと思いました。

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