今月の気になる数字 「世界の超富裕層(資産3000万$以上)約40万人。日本には約1万5000人で2023年+400人に」
円安を背景に今、街に外国人旅行者が溢れていますね。
通勤電車でも駅でも、オフィス街ですら大きな荷物を持った
外国人客に多数遭遇。
なかにはスーツケースを家族1人1人がそれぞれ2つずつ転がしている人もいて、
どれだけ長く滞在するつもり?!と驚かされたり、
もしかして、日本に住む同郷の友人への自国からのお土産が入っているのか?
などと憶測したり…謎は深まるばかりです。
2024年6月に日本政府観光局(JNTO)が発表した
2024年5月の訪日外国人数(推計値)は、
コロナ禍前の2019年同月比9.6%増(約27万人増)の304万100人に。
今年の2月から3カ月連続で月間訪日旅行者の数は300万人突破のもよう。
この5月の訪日客数を地域別にみると、
1位は韓国73万8800人、2位は中国54万5400人、3位 台湾46万6000人、
4位 アメリカ24万7000万人、5位は香港21万7500人。
やはり、日本にとって近隣のエリアが主力市場であることを実感します。
2019年同月との伸び率比較では、中東地域146.5%増1万4000人、
メキシコ109.8%増1万1500人、シンガポール66.5%増6万2700人。
インドは5月単月で2万9100人となり、単月での過去最高を更新したそうです。
こうしてみると、近隣の国だけでなく、地球の裏側からもたくさん日本を目指して
旅をしてくれる人が増えていることに改めて驚きます。
昨今、海外から押し寄せる観光客数が爆増していることもあり、
オーバーツーリズムが話題になっています。
外国人旅行者が増えすぎて、地域住民の交通や生活にも影響を及ぼしている問題。
そして、全国津々浦々、ホテルもレストランも人が溢れ、価格も高騰し、
日本人が日本を旅するのも困難になってきているのが頭の痛いところ。
そこで、訪日観光客について「数」よりも「質」を重視しようということで、
政府は「明日の日本を支える観光ビジョン」(2016年3月)を策定。
以降、「2030年までに訪日外国人旅行者6,000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円」
という目標を掲げ続けています。
これは2019年に1人あたり約15万円だった旅行消費額を
25万円以上に引き上げる必要があり、旅行単価が高い富裕層、
いわば「高付加価値旅行者」の観光誘致が必須。
日本政府観光局(JNTO)の同調査によれば、
高付加価値旅行者の一人あたりの旅行消費平均額は約136万円で、
2019年の訪日外国人の一人あたり旅行消費平均額の15.8万円の約9倍のもよう。
観光庁では「高付加価値旅行者」を、
1回の旅行あたり「着地消費額100万円以上/人」と定義。
この定義によれば、高付加価値旅行者数は現状、訪日旅行者全体の約1%ですが、
その消費額は全体の約14.0%を占め、2019年3199万人の訪日外国人ベースだと
4.8兆円の旅行消費額に相当し有望市場であると定めた理由にも納得します。
大手テクノロジー調査会社Technavioの「Global Luxury Travel Market 2020-2024」によると、
世界の富裕層旅行市場は2020〜24年で、年平均成長率4%で拡大中だそうです。
2024年は、2,130億ドル(約22兆4,000億円)と予測。
世界全体の海外旅行者数3億4,100万人でみても、やはりわずか1%の340万人が
いわゆる高付加価値旅行者だそうですが、海外旅行消費額は4.7兆円、
世界の旅行市場全体でも13.1%を占めており、世界中から観光誘致の争奪戦になっているもよう。
そんな世界の富裕層はいったいどこにいるのでしょうか。
さて、今月の「気になる★数字」
「世界の超富裕層(資産3000万$以上)約40万人。
日本には約1万5000人で2023年+400人に」
についてみてみましょう。
世界の超富裕層について調査して毎年発表している、調査会社Altrataでは、
「超富裕層(Ultra Welther)」を純金融資産が3000万ドル(約44億円)を超える層
と定義して調査を実施しています。
「World Ultra Wealth Report 2023」(World Ultra Wealth Report 2023 - Altrata)によると
世界の超富裕層は39万5,070人。
国別にみると、1位はダントツ「アメリカ」だそうです。
2位以下に大きく差をつけているが、TOP10には先進国が多く並んでいます。
日本はなんと世界第4位。約1万5000人の超富裕層がいたのですね。
順位 国 人数(人) 総資産(ドル)
1位 米国 129,665 15兆530億
2位 中国 47,190 5兆3170億
3位 ドイツ 19,590 2兆3100億
4位 日本 14,940 1兆4170億
5位 英国 14,005 1兆4270億
6位 カナダ 13,320 1兆4160億
7位 香港 12,615 1兆5030億
8位 フランス 11,980 1兆2940億
9位 イタリア 8,930 9870億
10位 インド 8,880 1兆1440億
都市別にみると、1位は香港。2位のニューヨークと僅差。3位ロンドンに次ぎ、
米国では、4位ロサンゼルス、5位サンフランシスコ、6位シカゴ等、複数トップ入り。
東京は9位!しかし人口比では、東京の超富裕層の割合が2022年比で-27.0%と大幅減。
この超富裕層および富裕層たちは、世界各国に自由自在に移住することでも
知られています。ここ近年、富裕層たちの資産とともに移動する状況を調査した
こんなデータもありました。
「The Henley Private Wealth Migration Report 2024」
Private Wealth Migration Report 2024 | Henley & Partners (henleyglobal.com)
によると、世界の富裕層を失った国・獲得した国ランキングが発表されています。
まずは、富裕層が流出した国ランキング(Projected net outflows of millionaires in 2024)から。
1位 China -15,200人
2位 UK -9,500人
3位 India -4,300人
4位 South Korea -1,200人
5位 Russian Federation -1,000人と公表されていました。
流出した富裕層の数が多いということは、
その国の富裕層全体の数の大きさも逆に実感できますね。
次は、新たに富裕層を獲得した国ランキング(Projected net inflows of millionaires in 2024)です。
1位 UAE +6,700人
2位 USA +3,800人
3位 Singapore +3,500人
4位 Canada +3,200人
5位 Australia +2,500人
日本は10位にランクインし、+400人と公表されていました。
旅してよし、住んでよし…の国づくりが
今こそ重要だということを改めて感じられました。
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