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父親の産後休暇1カ月以上で 母親の満足度は90%に!

4月から期が始まっている多くの企業では7月から第2クオーターに突入です。
そして、2024年もあっという間に年の半分過ぎましたね。

今年の夏も暑くなりそうですが、子育てにとっても大変な夏。
暑すぎる夏は、外遊びや屋外プールも実施できず、
夏休みの思い出が減ってしまいそうで心配です。

実は、7月は赤ちゃんがたくさん生まれる月であることをご存じでしょうか。
昨年度、令和5年度の月別出生数では8月に次いで7月が第2位となっていて、
66522人の赤ちゃんが誕生しているそうです。
(厚生労働省 人口動態統計速報より 202404.xlsx (live.com)

国連の発表した世界人口予測(SOURCE: United Nations Department of Economic and Social Affairs)
では、世界の人口73億人が2050年には93億人に増加する見立てで
その人口増の主な要因は出生数よりも寿命の延長のようです。

現在、60歳以上の人は世界全体の約12%ですが、この割合は年々増え、
2050年までに、15歳未満の子どもと60歳以上の成人がおおむね同数になる予測。
世界はもちろんですが、まずは日本でも子供たちを生み育てやすい制度作りや、
健康に守り育てていく社会設計を早急に実現することが重要だと改めて実感します。

2021年6月の改正育児介護休業法成立を受け、
2022年4月から段階的に男性を含めた新・育休制度が適用されています。
2023年4月からは育休の取得状況の公表がついに義務化。
2019年から2020年にかけ、男性の育休取得率は12.65%となりましたが、
世界的に見ると依然として低水準に留まっているもよう。

こうした流れを受け、「より男性が育休を取得しやすい仕組みづくり」を
主な目的とした改正法になりました。
ポイントは以下の5点。
 ・雇用環境整備と意向確認・制度周知の義務化
 ・有期雇用労働者の育児介護休業取得要件緩和
 ・産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
 ・育児休業の分割取得が可能
 ・育児休業取得状況の公表の義務化
少しずつ社会もパパ育休に理解と当たり前化に向けて動き出している気がします。
そんななか、最新の意識調査を発見しました。

『たまひよ妊娠・出産白書2024』
(Benesse 2024年3月公開)
https://st.benesse.ne.jp/press/content/?id=187546

■あなたは出産・育児にあたり、合計どのくらいの期間のお休みを
とりましたか・とっていますか?(父母合計)

 ・「出産当日のみ」 7.1%
 ・「出産前後に2~3日」 22.4%
 ・「出産前後以外で2~3日」 13%
 ・「4日~1週間未満」 12%
 ・「1~2週間未満」 14.4%
 ・「2週間~1カ月未満」 17.9%
 ・「1カ月~3カ月未満」 11.0%
 ・「3カ月以上」 2.2%

■女性の方にお伺いします。出産・育児にあたり、配偶者・パートナーの
休みのとりかたについてあなたの気持ちに近いものを教えてください。(「かなり満足」と回答)

 ・「出産当日のみ」 7.2%
 ・「出産前後に2~3日」 10.0%
 ・「出産前後以外で2~3日」 16.3%
 ・「4日~1週間未満」 9.0%
 ・「1週間~1か月未満」 19.8%
 ・「1カ月以上」 48.5%

■日本の社会は、子どもを産み育てやすい社会だと思いますか?
母親
 ・「とても思う・まあ思う・計」 12.7%
 ・「思わない・全くそう思わない・計」 75.0%
父親
 ・「とても思う・まあ思う・計」 27.2%
 ・「思わない・全くそう思わない・計」 59.1%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
段階別で尋ねた設問の「どの数値を見るか」というテーマについてです。
本調査の場合、「出産・育児にあたり、配偶者・パートナーの休みのとりかたについて
あなたの気持ちに近いものを教えてください」という問いに対して、
5段階で「満足度」を尋ねています。

先述した本文では、いわゆる「トップボックス」と呼ばれる「とても満足」のみを
抽出してご紹介しています。
こちらを、「かなり満足・まあ満足」の合計値で見ていくと下記のようになります。

===
■女性の方にお伺いします。出産・育児にあたり、
配偶者・パートナーの休みのとりかたについてあなたの気持ちに近いものを教えてください。
(「かなり満足」(「まあ満足」)・満足計)

 ・「出産当日のみ」 7.2%(36.1%) 計43.3%
 ・「出産前後に2~3日」 10.0%(35.3%) 計45.3%
 ・「出産前後以外で2~3日」 16.3%(28.6%) 計44.9%
 ・「4日~1週間未満」 9.0%(39.6%) 計48.6%
 ・「1週間~1か月未満」 19.8%(44.0%) 計63.8%
 ・「1カ月以上」 48.5%(40.1%) 計88.5%
=== 

「かなり満足」と「まあ満足」の合計値で見ていくと、
本記事タイトル通り、
「パートナーが1か月以上の産休を取得すると母親の満足度は約9割」となります。
しかし、休暇取得が1か月以下のケースを見ていくと、
「出産当日のみ」と「4日~1週間未満」では
いずれも40%台でありそこまで差異が見られません。

1か月以上、男性パートナーが休暇取得をすることが望ましいことが分かっても、
それが難しい場合、どのような休暇取得が望ましいかという
示唆は得られにくい結果となってしまいます。

こうした場合は、あえて、トップボックス=「かなり満足」だけの数値を比較する方が
より、母親の望む休暇の取り方が浮き彫りになってきます。
例えば、「かなり満足」という回答の「出産前後に2~3日」10%に比較し、
「出産後前後以外で2~3日」16.3%が、「1週間~1か月未満」19.8%
と遜色ない「かなり満足」という高い満足度を示す結果となっていることが分かります。

調査リリースの見出しには、分かりやすく「9割が満足」=大多数の声
といった「かなり満足」「まあ満足」の合計数値を出すべきだろうとは思います。
しかし、実際の分析に関してはトップボックスの比較の方が
より現状を把握しやすいケースもあることを書き添えておきます。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみてください。

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