さあ、2月に入って期末に向けてスピードも上がってきている今日この頃。
昨年から、世間はテレビ業界VSネットの話題で持ち切りでしたね。
2021年「日本の広告費に関する調査」(電通)によれば、
2021年にインターネット広告費が前年比21%増の2兆7052億円に。
1997年に前年実績の推定を開始して以来、初めて新聞、雑誌、ラジオ、テレビの
「マスコミ4媒体」の広告費を上回っています。
ネット広告費、テレビなど4媒体合計初めて上回る 21年 - 日本経済新聞
さらに、コロナ禍により、以降、TickTock、YoutubeなどのSNSでの動画視聴はもちろん、
海外動画配信サイト等の生活への浸透などにより、私たちのテレビ視聴時間はますます減少
しているのを実感します。
昨年の選挙やテレビ局自体のネガティブ報道等においてでも、
各局のテレビによる報道内容とネットニュース等での情報格差が話題になり、
情報の信頼性自体も問題視されるようになりました。
また、昨今気になるのは、スマホ育児。
昔は、自宅でテレビをつけっぱなしの育児はあったものの、
お出掛けには絵本やおもちゃなどが主流でしたが、現代では、小学生以下の子どもたちも
電車やバスでもスマホにくぎ付けで、ベビーカーの子どもでも
スマホにかじりつくように動画を見ている姿が話題になりました。
大人としては子どもが、公共の場で大人しくしていてくれる方が安心ではありますが、
子ども時代のデジタルコンテンツによる心身発達への影響がまだ解明されていないだけに
ちょっと心配な気もします。
そんななかこんな調査を発見しました。
『子どものメディア・デジタル教材に関するウェブモニター調査』
(N H K放送文化 研究所2024年5月公開)
20240501_7.pdf
■デバイスの家庭所有/本人利用(複数回答)
テレビ(家庭所有/本人利用)
・幼児 81%/52%
・小学生 84%/51%
・中学生 84%/56%
・高校生 82%/50%
スマートフォン(家庭所有/本人利用)
・幼児 95%/26%
・小学生 96%/41%
・中学生 98%/83%
・高校生 99%/97%
ゲーム機(家庭所有/本人利用)
・幼児 41%/17%
・小学生 70%/58%
・中学生 79%/56%
・高校生 60%/43%
■「あなたのお子様は,ふだんの平日/土日・休日など,以下のコンテンツをどのくらいご覧になりますか。それぞれ1日あたりの平均視聴時間をお知らせください」
テレビ:
「テレビ番組(NHK)(リアルタイム)」「テレビ番組(民放)(リアルタイム)」の合計
ネット動画:
「インターネット動画(テレビ番組)」「インターネット動画(テレビ番組は除く)」の合計
●2時間以上:テレビ/ネット動画
・幼児 24%/25%
・小学生 24%/31%
・中学生 18%/37%
・高校生 16%/38%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「ネット調査に対応できない層に対する回答取得の方法」というテーマについてです。
今回ご紹介した『子どものメディア・デジタル教材に関するウェブモニター調査』
の調査対象者は、全国2歳~高校3年生の子どもの保護者となっています。
特に小学生以下の2歳~6歳については、ネットで自主的に回答させるためには
漢字や言葉の意味をかなり砕いたとしても困難であることが分かります。
本調査では、その実施について、
「インターネットリサーチ会社に登録しているモニターに、まず2~18歳の子どもの有無を尋ね、子どもの年齢に応じて割りつける。そのうえで全国2歳~高校3年生の子どもの保護者を調査対象としてメディア利用など子どもの実態についても、保護者が回答」していると明記しています。
特に中学生から 高校生にかけては子どもの自立が進み、
保護者が把握していないメディアやサービスの利用が進んでいる可能性もあるため、
結果分析においては十分留意が必要となります。
そのため、調査結果が出た後で分析前に「こども家庭庁」等の調査(インターネット利用状況など)で、子どもと保護者の認識に大きな差はないことを確認したうえで分析レポートを作成したとのことです。
ちなみに、子ども以外にも、ネット調査回答に困難な高齢者に対する調査や、
調査言語対応に困難な外国人などの調査を実施する場合に、
代理回答者等を設定する調査手法もあります。
ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。
どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。