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過去最低の先月から反転。2017年3月の消費動向微増 調査結果は「大きなうねり」を見据えて2段階深く読むべし!

3月になって、急に温かくなって、びっくりですね。

ユッキの自宅近くに、毎年、変な時期に咲いてしまうソメイヨシノがありまして…

「アホ桜」と呼ばれていますが、こちらは今年も2月から咲きはじめ、既に満開。気象庁の桜の開花宣言まではあと少しかもしれませんね。

さて、このブログ『この1問で使える調査に!ユッキのアンケートクッキング』では、時事ネタや話題の調査をもとに、「調査のツボ」と調査担当者のヒントになる「プラス1★アドバイス」をお伝えしています。
ぜひ、実際のアンケート設計にお役立てくださいね。

今回は「調査結果を深く読む方法」を考えてみたいと思います。

調査分析をする際に、○○%が○○%になりました…と単純に上下を語るだけでは分析とは言えませんし、何より調査する意味がないというもの…。

今回は、こちらを題材にみてみましょう。

過去最低の2月から反転。女性を中心に、3月としては2年ぶりに季節消費が高まる気配。2015年以降、3月の消費意欲指数は前年割れが続いていたが、2年ぶりに前年同月比がプラスに(2014年4月の増税後初)。消費意欲指数の理由(自由回答)では「春物衣料が欲しい」という声が前年の倍以上(16年3月32件→17年3月82件)となったほか、「旅行の予定がある」という人も増加(16年3月17件→17年3月31件)…

博報堂生活総研[来月の消費予報・3月](消費意欲指数)」(博報堂総研 2017年2月24日発表)

http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2017/02/8d14d67b55b5e7d8fd7731d18bcfbb87.pdf

月刊でリリースされていますし、年度を振り返った報告も出されている老舗調査。

なんと、先月2月は調査開始以来、過去最低の消費意欲指数だったと報じています。アベノミクスで、景気も上り調子!とか、求人倍率も上昇中…など景気の良い話もちらほら出ていますが…消費動向は過去数年で見ると減少傾向にあるわけです。

そこで今回の「ぷらす1★スパイス」は、
「調査結果の時系列の分水嶺になりそうな事件・出来事と、生活者の変化を大きなうねりで語れるようにしてみる」
です。

このリリースには過去3年分の月間の消費動向が折れ線グラフで出ています。だいたい年間を通して月間の消費意欲の同行は似た傾向にあることが分かりますが、2014年3月だけが大きく跳ね上がっていることが目を引きます。

そうですね…思い返せば

2014年4月から消費税増税で、駆け込み消費がピークになったのでした。リリースにもありますが、以降、消費意欲は低下傾向だということが分かります。

さらにさかのぼると、大きな事件、ニュースごとに消費意欲が上下しているのが分かります。

こういった、「分岐」になるような事件や出来事を「○○年○○月」まで整理しておくと結果と照らし合わせると、分析がカンタンにできるケースも多いのです。

そしてさらにもう1段ドリルダウン!

調査サンプルについてのもう一段深読みも必要です。

年代別のサンプル数は、本調査の開始以来大きな変更はないのですが、年代別の中身が変わっているわけです。例えば60代。昔の60代はほとんどが孫がいた世代。

昨今、子ども世代の結婚比率の低下、出産年齢の後ろ倒しなどで特に首都圏では「孫がいるシニア」の方がマイノリティです。

3月など「孫消費」が盛んになる時期でも、全く関係がないシニア層も増えているということも背景にはあるかもしれません。こういった、属性の変化や大きな流れを捉えられるとより調査分析は面白くなりますね。

また来週!

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。