夏といえば花火大会ですね。
イギリス人が徳川幕府に持ち込んだのが最初との記録だとか…。
1733年が最初の両国の川開き花火大会で、前年までの飢饉と疫病の慰霊と悪病退散のため水神祭を行ったそうです。いかにも、悪病退散に効きそうな花火。人の心も体も元気にしてくれますね。
ということで今回のテーマは「花火」。
「恋人としたい花火に関する意識調査」((株)アイシェア 2010年8月発表)
http://release.center.jp/2010/08/1901.html
■今年に入って、花火(玩具花火)をしましたか? →「した」6.9%
■今年、これから花火(玩具花火)をしたいと思いますか?→「とてもしたい」12.1%
■あなたが最も好きな花火(玩具花火)は何ですか? →「線香花火」29.5%、「手持ち花火」23.6%
■恋人と最もしたい花火(玩具花火)は何ですか? →「線香花火」35.2%
…調査設計としては王道です。実態を把握し、要望を把握し、志向を聞く…。実によくできています。問題は、いかせん、ニッチすぎる話題。
1位線香花火、2位手持ち花火…。で、他になんかあったっけ?ということなんです。
ちなみに選択肢は、そのほか「打上げ花火」、「噴出し花火」、「仕掛け花火(パラシュートなど)」、「ロケット花火」、そして「その他」。
そうだよね…もう、最後の方は、吹き出し花火とロケット花火、仕掛け花火との違いがあることに気付かされるほどの深さに…。
これは、相当、「恋人と二人でしたい花火は線香花火」という結果が出したいという意欲を感じる調査です。他に、選びようがないともいえるのではないでしょうか。そういう意味では、調査設計者の意図通りに成功しているともいえるのですが…。調査としては、ちょっぴり疑問は残ります。
今回のポイントは「ニッチすぎる調査をどう処理するか」について考えてみましょう。
玩具花火のなかで、ランキングをつけたい…という目的としては、この調査設計以上のものはないかもしれませんが、問題は結果を受け止める人たちにとってより納得感を出すためにどうするか?ということです。
とはいえ、玩具花火の種類をこれ以上選択肢に加えても、より一層、票が分かれるか、いずれにしても選びようのない選択肢が増えるばかり…。
こういった時には、選択肢を「性質」や「背景」別にラベルを付けてあげる…つまり読者との共感接点を設計することが必要だと思います。
例えば、至近距離でもできる「線香花火」、お互いの顔が見える「手持ち花火」、一緒にならんで眺められる「打ち上げ花火」、はしゃぎながら一緒に遊べる「ロケット花火」…のように。
このラベルが、例えば、「二人の接近距離」や「明るさの度合い」などの段階別に並べられるとより調査結果は分かりやすく、共感接点を産めるリサーチ結果となると思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
次回もお楽しみに!
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