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ワクワクイベント? 音楽&スポーツ鑑賞で地域ファンに

コロナ禍も落ち着いてきた今日この頃。
外ではマスクをはずして熱中症対策をする議論も始まり、
旅行や夏祭り、スポーツ観戦や大型イベントも再開の兆し。
コロナ禍の間、ライブやスポーツも自宅で観戦や拍手で応援、、、も
すっかり定着してきて、あらためて「ライブ」の価値を
実感した人も多いのではないでしょうか。

生きていくためにどこまで必要か議論さえ飛び出しましたが、
やっぱり推しのスポーツチームやミュージシャンを
大声&全力で応援することで、心も体もスッキリしたい!(笑)。
そんな思いが数値化された調査を発見しました。

そこで年初の今回は、イベントの効能についての調査をご紹介します。

「スポーツ・音楽・文化芸術等交流人口型イベント(集客エンタメ産業)の社会的価値 
共同研究報告書川崎市ソーシャルキャピタル及びシビックプライドに関する市民調査)」
(日本政策投資銀行2022年5月発表)
https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/a5fd5f7b4a6513d4e437067c2176dda4.pdf

■あなたはボランティアやNPO、市民活動をされていますか
・スポーツ鑑賞経験者 12.0%
・(同上)未経験者 5.3%
・音楽鑑賞経験者 11.0%
・(同上)未経験者 5.9%

■あなたは川崎市に愛着を持っていますか(8点以上―1〜10点評価)
・スポーツ鑑賞経験者 45.5%
・(同上)未経験者 28.3%
・音楽鑑賞経験者 44.2%
・(同上)未経験者 29.4%

■コンサートの参加・不参加による精神的健康度比較
(出典「音楽ファンのコンサート参加行動による精神的健康度への影響調査」)

・コンサート参加前 約15(指数)
・参加後 約13(指数)

■あなたは生きがいを持っていますか(持っていると回答した人の比率)
・音楽鑑賞経験者 57.3%
・(同上)未経験者 51.6%

■あなたは「自分が幸福である」と感じていますか(「そう思う」計)
・音楽鑑賞経験者 59.4%
・(同上)未経験者 52.5%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
回答者を同セグメントして比較するか」についてです。

今回の調査の対象者は、音楽鑑賞経験者/未経験者、スポーツ鑑賞経験者/未経験者との
違いを把握しようとしている調査となっています。
本調査から導き出した結果は、スポーツ鑑賞や音楽鑑賞経験者は
ストレスマネジメントをしやすく、ボランティアを含む地域活動の実施率、
地元への愛着が高い特徴がある。
また音楽鑑賞経験者は未経験者に対し、幸福感が高く、生きがいもあると
回答している比率が高いということ。
性年代別や年収帯、子供の有無などにも関係なく、鑑賞経験者と未経験者比較をしています。

本レポートでは、サンプル数の内訳まで公開されていませんが、望ましくは性年代別に、
経験者、未経験者の同数ずつのサンプルが必要な調査設計になっていると思われます。
ただし、こうした調査の場合、あくまでも比較調査のために世の中にオーガニックで
存在している音楽鑑賞経験者比率、スポーツ鑑賞者比率とは異なるサンプルに調査をしているため
回答者全数の結果は世の中全体に当てはまる傾向を示しているものではないことに注意してください。

とはいえ、せっかく調査をしたのだから、全数結果も使いたくなりますが、
その場合は、信頼できる偏りのないサンプルに対して調査をしている
「出現率」の比率と掛け合わせて、割り戻すウエイトバックという方式を
採用することもあります。

ただし、今回のように音楽鑑賞経験者、スポーツ鑑賞経験者といった
信頼できる世の中にどの程度の出現率があるかといった調査があるかは不明です。
コンサートホールやスポーツ種によるスポーツ施身近さはエリアや人によって
大きく異なること、生活形態や生活条件などで差異が大きく、非常に難しい調査であると言えます。

また、幸福かどうか、生きがいがあるかどうかは、
音楽鑑賞経験の有無だけが因子として関与しているのかどうか調べてみないと
正確なところは分かりません。すでに別の因子で幸福感を感じている人は金銭的、時間的余裕を持ち
音楽鑑賞にも時間やお金を振り分けられるという因果の逆転の関係もありえます。

ちなみに、ウエイトバックについては、奥深いものがありますので
ぜひネットや調査指南書などをご参照してみてください。

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。