今年は各国大統領選挙が報道されていますが、日本でも夏は参院選ですね。
成人年齢引き下げに先駆け、平成28年に選挙年齢が18歳に引き下げられて以来、
若者の投票率の低さが何かと話題です。
そんななか、「主権者教育」というキーワードで学校教育も
変革が迫られている模様。先生って本当に大変です。
「主権者教育とは、国や社会の問題を自分の問題として捉え、
自ら考え判断し、行動していく主権者を育成することです。
学校現場において政治や選挙等に関する学習内容をより一層充実させるために
総務省と文部科学省は共同で「私たちが拓く日本の未来」という資料を作成し、
全国の高校生へ副教材として配布しています。」と日本教育新聞。
確かに、中学、高校で政治について学ぶのですが、どこか他人事のまま大人になったユッキ。
社会人になって初任給の通知を意気揚々と開いてみて、
どうしてこんなに手取りが少ないの?と驚いて、「税金」の重さを知り、
初めて政治に身をもって参加している事実を実感したわけです。
とはいえ、世界でも各国18歳で選挙権を得る国がほとんど。
世界では学生を含めた18歳〜24歳の若者の投票率は、
OECD主要国平均でなんと6割超え!
日本の18~24歳の投票率は2014年の調査時点で3割程度と
かなり低い割合であることが分かります。
特に欧州各国の若者の投票率が高い国々では、
政治教育や主権者教育が積極的に行われているそう。
まあ、それだけが投票率の低さの原因かと言われればそうでもない気もしますが、、、。
日本では、この主権者教育の一助として、新学習指導要領を開始。
社会科・公民科以外の時間で主権者教育にかかわる内容を連携するなど、
教育課程全体での取り組みや、総合的な学習の時間や特別活動など、
各教科等間での連携を開始するそう。
また、総務省のWebページでは高校生・大学生向けに
なんと「秘密結社 鷹の爪団」による主権者教育教材や動画も公開。
https://www.youtube.com/watch?v=uTeHQMbp5pM
たとえば、参加型の学習教材では、ロールプレイやマニフェスト策定などの体験学習で
社会問題の多様性や複雑性の理解、政治への関心を高める工夫をしているそうです。
これは、どうも政治に疎くて、、という大人も必見かもしれませんw
そこで年初の今回は、若者の政治意識についての調査をご紹介します。
「16歳〜29歳2022年度若者の政治意識調査」
(CCCマーケティング株式会社2022年6月発表)
https://www.ccc.co.jp/news/2022/20220622_002360.html
■2022年夏の参議院議員選挙に関心を持っていますか
「関心を持っている」・「どちらかと言えば関心を持っている」計39.7%
「関心を持っていない」・「どちらかと言えば関心を持っていない」計60.2%
■参議院議員選挙に投票に行きますか
(選挙権を持っていない人には、選挙権を持っている場合を想像して回答)
「行くと思う」54.4%
「行かないと思う」19.6%
「まだ決めていない」26%
・参院選に関心がある人「投票へ行く」84.1%
・関心がないが「投票へ行く」34.1%
■参議院議員選挙が近づいたら、意見や情報を参考にしたいと思う人は誰ですか(複数回答)
・参院選に関心があると回答をした人抽出
1位「政治学者などの有識者」41.8%
2位「家族」37.2%
3位「自分と同世代の人」36.5%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「回答者の特徴分析方法」についてです。
今回の調査の対象者は、18歳から29歳の若者とされています。
冒頭お伝えしたように、学生と社会人が入り混じるこの世代。
プロフィールによって、政治への関心は異なる事が予想されるため、
本来は調査結果については、学生、社会人との差分を比較したくなってしまいます。
とはいえ、本調査の結果「若者の6割が政治に関心がないと回答している」と言うことは
事実なので、問題はありません。ただ、この6割が高いのか低いのかが気になるところです。
実は、この世代だけを調査しても、世代の特徴は炙り出せないかもしれません。
世代特性は、実は全世代調査と比較しなければ、分析できないのです。
本調査では対象としていない30代以上の中にも政治に関心が薄い層もいれば濃い層も
存在するはずですし、その分布について知らなければ、本来的には若者を語ることは難しい。
もしかすると、学校教育や初めての選挙と言うことでか新鮮な関心を持っているのは
むしろ若者層であり、全世代比較をすると、若者の方が政治への関心が高まっていると言う
分析結果になってしまうこともあります。
こうしたリリースを出すと、若者の特徴を語ってほしいという取材が入ることがあります。
調査結果という事実は伝えられるのですが、その世代の特徴を語ろうとすると
単独の世代を調査したものでは分析には情報が不足しがちになります。
一つだけの調査の分析結果で世相を把握しようとせず、
できるだけ複数調査、国の調査機関の調査でなるべくサンプル数の多い調査なども
参照した上で世代やプロフィールを幅広く比較し分析していくことで
より正確な分析結果や、社会環境の全体把握することができると思います。
ネットで簡単にさまざまな調査結果が手に入る時代ですから
ぜひリファレンスをし、よりシャープな考察をしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。