さて、12月になり、まちも賑やかに華やかになってきました。
まさに師走、忙しい1年の締めくくり。時間のやりくりに追われる方も多いのではないでしょうか。
子どもたちも、コロナ対策もめどがたち冬のイベントや学校行事、
受験生は冬季講習など勉強も忙しい時期かと思います。
とはいえ、本当に子どもたちはスマホから目を離さない!
交通機関やカフェで1人であればもちろんですが、
友達とワイワイしながらも目線はスマホ、、、器用というか、スマホの情報から話題を見つけたり
使いこなしている様子はわかるのですが、勉強中もスマホをいじりたい誘惑との戦いなのでは
ないかと、勝手に心配してしまいます。
そんな中、子どもたちの「子どもの睡眠を考えるシンポジウム」なるものが開催されたとか。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221022/k10013867331000.html
東京大学の上田泰己教授などのグループが2022年10月下旬に
調査結果の公開を含めシンポジウムを開催。
日本の子どもの睡眠時間は推奨時間より1時間程度短く、
スマホなどの利用で夜型生活の子どもたちもふているとか。
学業や精神的発達などへの影響が懸念されるそう。
プロジェクトの対象は小学生から高校生まで
新たに開発した腕時計型の機器をつけて1週間生活してもらい
睡眠中の状態を計測することで、睡眠時間だけでなく、
脳が眠っている状態と心身の不調にもつながるとされる
一時的に脳が起きている状態の割合など、
子どもの睡眠の実態を詳細に把握していく計画を発表。
なんと2025年度までに全国5万人分のデータの収集を目指し、
子どもたちの生活習慣の見直しや睡眠障害の早期の発見に役立てていくそうです。
ということで、今回は、子どもたち自身に聞いた「睡眠」に関する調査を見てみましょう。
「みんなの本音調査レポート 睡眠について」
(niftyキッズ2022月8月調査)
https://kids.nifty.com/research/20220702suimin/
■平日の睡眠時間は何時間くらい?
・全体
「6時間」 14%
「7時間」 21%
「8時間」 28%
「9時間」 16%
・小学生
「7時間」 18%
「8時間」 33%
「9時間」 21%
・中学生
「6時間」 22%
「7時間」 28%
「8時間」 22%
■睡眠時間は足りている?(「睡眠時間が足りていない」という回答者)
・全体 54%
・小学生 48%
・中学生 63%
■「睡眠時間が足りていない理由」(「睡眠時間が足りない」回答者)
・全体
1位「家での勉強に時間がかかる」 55%
2位「YouTubeなどの動画を見ている」 41%
3位「塾で帰りが遅い」 26%
・「その他」に寄せられた回答
「早めに布団に入ってもなかなか寝つけない」、「寝ようと思ってもすぐには寝られない」など
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「平均法への注意」についてです。
その前に、前提として本調査の回答者に偏りがありますので、その点も注意しておく必要があります。
調査概要を確認すると、回答者は女子78%、男子9%、無回答13%、
小学校5年生〜中学1年生で約7割を占めています。
「小学生」のデータとして紹介されているパートも大半が高学年の回答であること、
また「中学生」のデータも高校受験前の1年生が多くを占めていることを踏まえて
読まなければなりませんのでご注意ください。
その上で、今回、睡眠時間や入眠時刻などについて「平均時間」を出すことの是非について
少し考えてみたいと思います。
今回ご紹介した調査では、子どもたちの睡眠の実態を把握したいというお話でした。
小学生と中学生で比較して睡眠時間がどちらが長いのかなどを伝えるためには
平均時間で変化を比較するのが分かりやすいかもしれません。
ただ、今回重要なのは、「分布を把握する」ということの重要性です。
どこに多くの回答が集まっているのか、あるいは、異常値はどこかにないか、などを
把握した上でないと、平均時間を出しても意味がない、あるいは分析方針を誤るという
ことになりかねません。ましてや、回答者属性が偏っている場合、
ある意味わかりやすい「平均値」としてだした数値が一人歩きをすることもあります。
そうなると、調査結果の誤認や実態の誤った把握に繋がりかねません。
消費者調査において、「平均時間」「平均金額」「平均人数」、、、など出したくなってしまう気持ちは
山々ですが、まずは、分布を把握し、その上で平均を出すべきかを判断すると良いと思います。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみて下さい。
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