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2023年を占う?!世界46カ国のZ世代 「関心ごと」の1位は「生活費と節約」に

さあ、2023年も始まりましたね。
今年はどんな一年になるでしょうか。穏やかな1年になると良いですね。

さて、マーケットではやはり今年も注目されるのは「Z世代」の動向かもしれません。
いよいよ彼らのトップ層は20代半ばとなり、
企業でもリーダーを期待されたり、恋愛や結婚・出産などライフステージの変化を
迎え始める人も増えてきそうです。
デジタルネイティブのZ世代が本格的に消費をリードする時代に、
市場をどう変化させていくのかが気になります。

ちなみに、このZ世代とは、その前のミレニアル世代の後、
1997年前後〜2010年頃(諸説あり)に生まれた世代を指すそうで、
2023年時点で13歳から28歳前後を迎える世代が該当します。

「Z世代」という言葉の源流を辿ると、1953年にハンガリーの写真家ロバート・キャパが
出版したフォトエッセイ「Generation X」にあるそうです。
若者たちに「未知(X)」という意味をこめ「X世代(Generation X)」と呼び
その後、1つの世代ごとにX、Y、Zと、アルファベットで世代を表すようになったとか。
そして、Zの次はα(アルファ)世代。ひとまわりしてきた感がありますね。

このZ世代が市場で注目されている理由は、デジタルネイティブであるという特徴に加え、
消費市場における存在感=ボリュームにもありそうです。
日本ではZ世代の比率は15%と比較的ボリュームが小さいのですが、
世界の人口に対するZ世代の比率は32%と、とても大きいのです。
この数字から見ても日本の少子高齢化が進行していることを実感する一方で、
化粧品、ファッション、エンタメなど、グローバル市場を相手にしている企業にとっては、
グローバル全体のZ世代の価値観を掴んでいくことが不可欠だと感じます。

ということで、今回は、コロナ禍を経た「Z世代の関心ごと」についての調査を見てみましょう。

「世界46カ国ミレニアル世代とZ世代に対する調査」
(デロイトグローバル2022月8月発表)
https://digitalpr.jp/pdf.php?r=61501

■もしも毎日の勤務形態を選ぶことができるとしたら、上記のうちどの勤務形態を選びますか?
=「100%出社」=
 ・日本; Z 世代 21%、ミレニアル世代 31%
 ・グローバル; Z 世代 19%、ミレニアル 世代 20%
=「出社と在宅が 50:50」=
 ・日本; Z 世代 50%、ミレニアル世代 49%
 ・グローバル; Z 世代 63%、ミレニアル 世代 62%
=「100%在宅」=
 ・日本; Z 世代 12%、ミレニアル世代 12%
 ・グローバル; Z世代 12%、ミレニアル 世代 14%

→リモートワークによるポジティブな影響(全体)
「自由時間の増進」「メンタルヘルスの好転」「節約」などが上位

■次の項目の中で個人的に最も関心があるものを 3 つまで選択してください
(「生活費」、「同世代のメンタルヘルス」の選択肢は 2022 年より追加、「高齢化」は削除)

=日本=
 Z 世代;「生活費」30%、「経済成長」20%、「富と所得の不平等」19%
 ミレニアル世代;「生活費」30%、「経済成長」27%、「気候変動」25%
=グローバル=
 Z 世代;「生活費」29%、「気候変動」24%、「失業」20%
 ミレニアル世代;「生活費」26%、「気候変動」25%、「医療疾病対策」(%未表示)

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
比較対象の“軸“の設定方法」についてです。
今回の調査では、Z世代とミレニアル世代との比較、日本とグローバルの比較で
調査分析が展開されています。

ローデータを見ないと実際に実現可能かどうかはわかりませんが、
他にも、性年代別やライフステージ別、アジアと欧米、先進国と開発途上国といった比較
なども可能だったと思います。
分析の際に、様々な軸でクロス集計をかけ、
興味深い差異が見られる軸を探していく作業をしている調査担当者も多いと思います。

その中で興味深い結果がいくつか出た場合でも、
クロス集計の軸が異なるデータを、リリースの限られた紙面の中で複数展開させてしまうと、
読み手を混乱させてしまうことになりかねません。

例えば、Q1は性年代別にクロスをかけたデータ、Q2は日本とグローバル比較、Q3はライフステージ別、、、
などとバラバラに結果を紹介されると読み手は混乱するばかりか、
全体傾向も把握することが難しくなってしまいます。
できるだけシンプルにまとめていけるように、分析軸を決めていくことが必要です。

その時に重要なのは、リリースのターゲットとなる人たちの「ニーズ」
に立ち返ることだと考えています。
ターゲットにとって関心の高い分析軸の設定になっているか、
活用しやすいデータの作り方、見せ方ができているかなどを今一度、考えてみてください。
あくまで以下は私見ですが、今回のリリースからは、日本企業のマーケティング担当者に対して
グローバル市場のZ世代と日本国内のZ世代の違いがあることや、
グローバル全体のZ世代のマーケティングの意義や理解を促したい、
というような意図を感じました。

おそらく他にもたくさんの興味深い調査結果があったかもしれませんが、
その中から伝えたいことに合わせて、情報が厳選されていたからこそ、
分かりやすく読みやすいリリースになっていたのではないかと思います。
ぜひ、今後の調査分析の際の参考にしてみてください。

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。