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SDGsの認知率は9割超。 第1回調査(2018年)から11倍以上

さて、今年の夏は世界中で暑い!を通り越し、国連総長の言葉を借りれば「沸騰」です。
一説によると、今年は大西洋と太平洋の両方でエルニーニョ現象が起こり、
世界中が熱波に覆われているもよう。

中国北西部や北米の乾燥地帯では気温52度超を記録し、欧州の市街地でも40度を超えているほか、
ギリシャや北米、ハワイでも山火事が多発していることに胸を痛めています。
ますます、一人一人ができることで何とかできないかという気持ちに
なっている方も多いのではないでしょうか。

そんなときに、こんな調査を発見しました。

『第6回「SDGsに関する生活者調査」』
(株式会社電通 2023年5月発表)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2023/0512-010608.html

調査を見ていく前に少しSDGsのおさらいをしておきたいと思います。
SDGs(Sustainable Development Goals)を日本語に置き換えると「持続可能な開発目標」。
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,
2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。

17のゴールと169のターゲットから構成され,
地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを目指しています。
SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものです。
随分と浸透している印象もあり、古くから言われていたものかと思っていたら
2015年に採択されてからですと、まだ8年目ということなんですね。
それでは、調査を詳しく見ていきましょう。

🔳「SDGs(エスディージーズ)」についてお聞きします。あなたは「SDGs(エスディージーズ)」という言葉をご存じですか。
 「内容まで含めて知っている」 40.4%
 「内容はわからないが名前は聞いたことがある」 51.2%
 「知らない」 8.4%
  ※「内容まで含めて知っている」;第1回調査(2018年2月実施) 3.6%

🔳「SDGsについて知っている/聞いたことがある」とお答えになった方にお伺いします。
あなたは普段どこでSDGsについて見たり聞いたりすることが多いでしょうか(複数回答)

 1位「テレビ」 63.5%
 2位「報道機関や情報機関のWEB・SNS・アプリ」 37.6%
 3位「新聞」 23.8%

🔳企業が、SDGsに対して積極的に予算や人員をかけて取り組むことは、下記に挙げる各項目についてどのくらい影響があると思いますか。あなたの感覚に近いものをお選びください。(複数回答)
 1位「その企業の良い印象が強くなる」 59.1%
 2位「その企業の好感度が上がる/応援したくなる」 56.5%
 3位「その企業への信頼感が増す」 55.9%

🔳「その企業の良い印象が強くなる」と回答した人にお伺いします。
下記の15個のテーマについて、日本の特に「企業」に積極的に推進して欲しいものをいくつでもお選びください。

 1位「食品ロス」 63.2%
 2位「再生可能エネルギー」 58.6%
 3位「気候変動対策」 46.5%
 4位「ジェンダー平等」 28.3%
 5位「子どもに関する社会課題」 26.7%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
設問ごとの調査対象者の絞り込み」についてです。
本調査全体の対象者は、10~70 歳の全国の1400名。
SDGsについてドリルダウンする設問は、「SDGsに対する一定の認知度がある人」
を対象に、回答者の中から絞り込んで調査して、ドリルダウンする、
企業に求めるSDGsに関する活動に関しては、「企業に求めるものがありそうな人」を
対象にドリルダウンするという手法が正しいと思います。

ただ、今回最後の設問ですが、実際に「企業にSDGsに対する活動を求めるかどうか」については
直接的には聞かれておらず、「企業の印象が変わるどうか」に焦点を当てた設問から
対象者を絞り込んでいます。

具体的には、「企業が、SDGsに対して積極的に予算や人員をかけて取り組むことに対して
「その企業の良い印象が強くなる」と回答した59.1%の方に絞り込んだ設問となっています。
設問数に限りがありますし、回答者にとっても重複感がない方が良いのですが
ドリルダウンする際には、やはり基軸となる設問は立てて置くことをお勧めします。
ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。