entry_image

Z世代の買い物志向は、開拓、越境、見極、即決。 「衝動買い」37%。多世代より高い傾向

やっと秋の気配を感じられる今日この頃です。
でも秋は美容には油断ができない季節。
まだまだ日焼けも乾燥も気になる「美容に大敵」の季節でもあるのです。

コロナ禍で危ぶまれた化粧品業界ですが、
マスクなしのお出掛けの回復基調も影響してか、
矢野経済研究所によると、2022年度の国内化粧品市場規模は
前年度比103.5%の2兆3,700億円のもよう。
(化粧品市場に関する調査を実施 (2023年) 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp))

本レポートによると、上記の国内需要だけでなく、
2022年10月より日本政府が再開したインバウンド個人旅行者のお土産需要が回復傾向にあることも
市場が堅調な背景にあるもよう。

製品カテゴリー別では、スキンケアが全体47.3%(1兆1,200億円)と最も高く、
続く、ヘアケア20.3%(4,810億円)、メイクアップ17.6%(4,170億円)とのこと。
最近注目の、男性用化粧品市場は、全体5.4%(1,290億円)に成長しているそうです。

化粧品については、こうしたカテゴリー別はもちろん、各ジェンダ―や年代別向けの特価商品含め、
とにかく商品数が増えている印象です。
以前はテレビや雑誌の広告をチェックしていれば、国内各社の新商品情報が手に入り、
友人との会話にもついていけていたのですが、
昨今は、ネットでしか購入できない越境輸入商品も溢れ、情報収集も追いつけません。
しかも、店頭で試せないものも多いので、ネットの口コミを頼りに商品を購入することも増えています。

そんななか、こんな調査を発見しました。

『Z世代×ニューコマース調査』
(博報堂買物研究所×HAKUHODO EC+2023年5月発表)
https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/104304

こちらの調査では、化粧品購入のみに限りませんが、Z世代のEC全般について調査をしています。
Z世代のコマース行動の特徴について「バイヤー型消費」と分析しているのが興味深いです。
調査結果を総合的に分析した結果、
「バイヤーさながらに自らの足で積極的に情報を獲得し、情報の真偽を見極めながら
コマース行動を行う姿が浮き彫り」なったもよう。
その特徴として挙げられているのが「開拓志向」「越境志向」「見極志向」「即決志向」の4つ。
それでは、調査を詳しく見ていきましょう。

□あなたのSNSの使い方やSNSを使った買い物方法について当てはまると思うものをお答えください。
調査対象者―Z世代(15-25歳):1,854s、Y世代(26-41歳):516s、X世代(42-59歳)516s

■「店舗よりもSNSで商品を探した方が人と被らないファッションを探すことができると感じる」
・Z世代45% 
・Y世代29%
・X世代21%

「自分が知らない海外メーカーの商品でも、SNS上で日本人の評価が高ければ購入したいと思う」
・Z世代57%
・Y世代43%
・X世代31%

あなたが普段のお買い物をする時の意識として、お気持ちに近いものをそれぞれお選びください
「衝動買いをよくする」
・Z世代37%
・Y世代30%
・X世代19%

さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
メインターゲットの行動特性をどのように分析するか」についてです。
本調査全体の対象者は、一般的な20代、30代…といった世代ではなく、
あえて、Z世代(15-25歳)、Y世代(26-41歳)、X世代(42-59歳)というカテゴリーで
分析しています。
Z世代と呼ばれる注目の若い世代の行動特性を浮き彫りにしたいという意図があるようです。

普段の買い物意識として「衝動買いをよくする」と回答したZ世代は37%。
この数字だけを見ていると、37%は半数を超える数字でもなく、
Z世代の「全体傾向」とはいい難い結果だと思います。

しかし、他世代であるY世代30%、X世代19%と比較することで、
Z世代の回答者に「衝動買いをする」と回答した比率が高い傾向があることから、
「Z世代は衝動買いをする傾向が(他の世代と比較して)高い」といえるわけです。
この(他世代と比較して)という言葉がキーワードになります。

単に「傾向が高い」ということと「(他世代)比較で高い」ということは違うからです。
実際にリリース製作をする際には、言葉を端折りたくなる場面も出てくるかと思いますが、
分析者として正確に結果をとらえることで、詳細の解説文にも正確な分析が反映され
結果が誤認されることが少ない良い分析文となると思います。

また、Z世代調査だからといって、単一世代に調査とすることなく、
本調査のように世代調査については、予算上制限があったとしても必ず他世代サンプルも
しっかりと調査対象に含めていくことをお勧めいたします。
ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。

※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。