秋本番、やっと紅葉も見られる時期になりました。
喉元過ぎれば熱さ忘れる…ですが、今年の猛暑も忘れてしまいそうな感じです。
一方、空気が乾いてくると気になるのは、肌荒れと感染症…。
まだまだ、公共施設や交通内ではマスクで予防する方も見受けられる昨今。
冬はインフルエンザをはじめ各種感染症、秋時期の花粉症対策など注意しなければいけないものも。
2023年5月8日、新型コロナウイルスが感染症法上の「5類」移行から、約1年半が経過し、
円安を反映した海外からの訪日インバウンド客も急増。日本人の旅行も国内を中心に復調基調。
もちろん日本から海外へ出かける旅行者は、円安によりコロナ禍前比較で7割程度のもよう。
「海外旅行の費用やコロナ前後の変化に関する意識調査」( JTB総合研究所 (tourism.jp))によると、
約8割が「海外旅行は高かった」と感じていても、65%が「高くてもまた行きたい」と
回答しているそうです。
また、仕事も大きく変化しています。コロナ禍後もリモート勤務を継続する会社がある一方、
フルリモート出社解除なども見られ、通勤電車も混み始めたのを実感します。
実際、コロナ禍前後では、為替変動や災害、国際紛争など大きなニュースが多すぎて、
もはや、コロナ禍だったことを忘れさせられてしまう勢いではあります。
しかし、振り返れば、社会や生活でもコロナ禍を経て変化したことがたくさんありますね。
そこで今回は、社会全体での日常生活や生活習慣がどのように変化したのかを
調査を通してみていきたいと思います。
こんな意識調査を発見しました。
『博報堂生活定点調査2024』-コロナ禍前後の変化
(博報堂生活総研 2024年10月)
https://seikatsusoken.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/seikatsu-teiten2024-release20241025.pdf
本調査は、1992年から2004年まで長期にわたり隔年で行われていますが、
今回は、・2018年(コロナ禍前)・2020年(コロナ禍中)・2022年(収束期)
・2024年(5類移行後約1年)の4時点を比較しながらご紹介していきたいと思います。
■ 社会貢献意識
「社会全体のためには不便なこともガマンできる」
・2018年(コロナ禍前)44.8%
・2020年(コロナ禍中)53.6%
・2022年(収束期)44.8%
・2024年(5類移行後約1年)39.5%
「地球環境の保護について考えている」
・2018年(コロナ禍前)45.1%
・2020年(コロナ禍中)54.0%
・2022年(収束期)51.1%
・2024年(5類移行後約1年)43.6%
■デジタル化の定着
「日常的に携帯電話やスマートフォンで支払いをしている」
・2018年(コロナ禍前)10.7%
・2020年(コロナ禍中)32.0%
・2022年(収束期)42.5%
・2024年(5類移行後約1年)53.0%
「オンラインショッピングを利用している」
・2018年(コロナ禍前)56.9%
・2020年(コロナ禍中)66.5%
・2022年(収束期)69.1%
・2024年(5類移行後約1年)72.2%
さて、今回の「ワンポイント★プラス」は…
「因果関係、相関関係、疑似相関の違い」というテーマについてです。
先ほどご紹介したデータからも、コロナ禍で始まったデジタル生活は、その利便性や豊かさにより、
コロナ禍後も定着し、モバイル決済利用率は2024年に過去最高を記録しています。
また、コロナ禍で増えたひとり時間も、生活の一部として定着したようで、
ひとりで過ごす時間を大切にする人の割合は2024年に過去最高を記録。
「ひとりですごす時間を増やしたい」
・2018年(コロナ禍前)27.7%
・2020年(コロナ禍中)32.7%
・2022年(収束期)31.0%
・2024年(5類移行後約1年)32.4%
このデータを並べると、「ひとりで過ごす時間」が増えている人は、
「デジタルコンテンツを消費している」ということが因果関係や
相関関係にあるように感じてしまう方も多いと思います。
確かに、コロナ禍後の社会変化のなかで、なんら私たちの生活に大きな影響を与えた
ことは真に害がないと思いますが、ここは、因果関係なのか、相関関係なのか、
はたまた疑似相関なのかを考えていくことが重要になります。
以下、因果関係と相関関係について解説していきます。
●因果関係とは
時間順序(起こった順番)と直接性(相互の直接関係)があること。
原因が発生し、その結果が生まれること。
原因と結果が同時に発生した場合は、因果関係とは定義されません。
また、直接的に原因が結果を引き起こしていることが条件で、先に結果が起きていても、
原因が他の要因によって引き起こされている場合も、因果関係は成立しないのです。
例えば、気温が一定以下を下回ると、コンビニのおでんの売上げが高まっていくという事象について、
コンビニエンスストアのおでん販売開始が10月からだとしましょう。
10月の年間平均気温より11月の平均気温が下回り、おでんの売り上げが気温の低下の後から
売り上げが上がるようであれば、因果関係は成立するかもしれません。
しかし、直接影響を鑑みると、気温が下がることとコンビニエンスストアの来客数、
売り上げ単価等との関係を見に行く必要があります。
また、そのほかの売り上げ影響する要因、例えば、テレビでCM放映開始や、
コンビニエンスストアの来客数に影響をするような、他の原因がある場合は、
疑似相関となる場合があります。
その事象の発生の起こる順番と直接的な関係を見に行かなければなりません。
●相関関係とは
相関関係とは、「両者の数値に関連性がある」ことを指します。
「一方が増加した際、もう一方も増加(または減少)する傾向」が見られる場合を
相関関係と定義されます。
先ほどの因果関係とは異なり、「発生する順番は無関係」、「双方の影響の強弱を問わない」
「因果関係を問わない」ものも成立とみなします。
相関関係の強弱とは、両方の値の関係性が明確か曖昧かということを表しています。
例えば、先程の例「気温が下がるとおでんが売れる」では「気温が下がる」ことと
「おでんが売れる」という2つの出来事に相関関係があるとは言えますが、ない可能性もあります。
気温が下がっても、おでんの売り上げが上がっているコンビニエンスストアチェーンと
そうでもないチェーンがある場合、これは疑似相関である確率が高いわけです。
各チェーンのテレビCMの有無や来客数などの変化に直接影響している要因がないかを
さらに探る必要があります。
今回の調査では、生活者意識調査だけでなく、生活のデジタル化とひとり時間の過ごし方や
収入の消費状況など、デジタル活用と直接的な要因のある因子についても調べていくことで
結論を出す必要があります。
ぜひ、今後の調査設計の際の参考にしてみてください。
※皆様からのご質問やご意見もお待ちしています。
どうぞお気軽にユッキにご連絡ください。